透き通るような秋
埼玉に住む10歳違いの末弟が、高校の同級会を機に久しぶりに顔を見せ、泊っていった。
酔ってなのか、素面でなのか恩師に向かって「人生とは何でしょう」というようなことを聞いたらしい。
恩師は即座に「好きなように日々を送ること」と答えられた。
弟は翌朝 駅への送迎を固辞して、どうしても松本駅まで歩きたいという。
秋晴れの下、北アルプスを眺めながら、僅かに始まった紅葉の桜並木を歩きたいという。
この時期は朝のウオーキングに最適な季節である、数十年の彼方に霞んでしまった少年の志を、通学路を通して蘇らせたことだろう。
本当に秋はそういう季節である。