ヌスビトハギ
近道のために、 晩秋の草むらを掻き分けるように歩いて向こう岸に辿りつく。
衣服には所構わず何種類もの草の実がびっしりと張り付いている。
当地の方言?で、この無賃乗車の輩を総じて「バカ」と呼んでいる。
その語源はいくら考えても見当がつかない。
その中の一つが盗人萩である、小花が美しく、衣服に付着しても払えば簡単に落ちるから憎めない。
しかし、中には払えば払うほど衣服の中に入り込む厄介者もある。
バカ草に取りつかれるのが嫌で、秋の野歩きを敬遠する人もいる。
学校帰りに、花が終わったアメリカセンダンソウの花茎を千切って、そっと後ろから投げつけると面白い様に衣服にくっついた。
知らずに背中にいっぱいくっ付けたまま家に帰って、始めて気付くこともあった。