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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

オオフタオビドロバチの巣作り(3)

2013-08-06 | ハチ

出来上がったオオフタオビドロバチの巣の中が気になります。気になるというのは,外からは見えないし,中がどうなっているのか図鑑の写真からは想像できますが,直に確認できていないままではなあ,という消化不良の気持ちだということです。

昨夏,オオカバフスジドロバチで確認できたことをもとにして,推測するほかはありません。このドロバチは煙突状の入口を,太めの竹に作る昆虫です。二つは似通っていても,異なる点があるはず。

それで,ドロバチには申し訳ないのですが,生態に迫るために,ヨシをそっと割ってみることにしました。事実を知るためだということで,許してもらいましょう。

さて,穴の口径5mm,奥行き3cmの世界はどうなっているか,です。

見て,さっそくびっくり。部屋(育房)が二つに分かれていました。奥育房が大きめで獲物がどっさり。なんと11匹の幼虫がぎゅうぎゅう詰めに! 口育房は小さめで,獲物は3匹。

卵はどうか,です。奥育房の幼虫を取り出して,さらにはっきりしたのは,既に孵化していて大きめの幼虫に育っていたことです。これは,オオカバフスジドロバチのときと同じです。

口育房には,期待したとおり卵が一個ありました。細長い紡錘形をしています。

ということは,奥の育房についてはずいぶん以前から作られていて,何日も経ってから口育房作りに取り掛かったことになります。考えてみれば,一日程度でできるものではけっしてありません。

やはり,狭い空間に卵を産むにも効率と労力が計算されているのです。奥行きが浅くても,二つの部屋が確保できています。さらに考えれば,三つ,四つの育房の方がもっと省力的な巣作りに思えます。

図鑑に掲載された写真では,隔壁に仕切られ三つの育房が作られています。両者を比べると,同じドロバチ類でも結果はじつにファジーです。

おしまいに獲物の数のことで。極端な違いがあるのは,奥の個体が羽化して出て行った後,口の幼虫が残りを食べる,あるいは体型の小さなオスになる,という解釈が成り立ちそうです。前jの解釈なら,隔壁に穴が開けば出入りが自由になるということで,後の解釈は至って合理的な理屈です。もっとも,雌雄の産み分けは簡単なのかどうか。

実際に見ることは大きな意味を持ちます。この後,ドロバチの巣をまた元に戻して固定しておきました。無事に羽化すればいいのですが……。

 


ヤマトシジミの幼虫(1)

2013-08-06 | ヤマトシジミ

水入りコップに挿していたカタバミの葉を見て驚きました。葉の裏面に付いていたヤマトシジミの卵が孵化して,幼虫が孵っていたのですから。 

孵化して日がそれほど経っていない幼虫を見たのは初めてです。体長は1mm余り(下写真の横方向視野は11mmです)。透明感のあるレモン色をしていて,体内器官が透き通って黒く見えます。体表は毛で覆われています。 

すでに葉を食べたようで,食痕ができて,葉の表皮が薄く残されています。糞もポロポロと散らばっています。

卵の殻も一部残されています。上半分は幼虫に食べられたようです。 

しばらくこのままにして,幼虫の成長を追ってみることにします。