その後,1個体はいつの間にか姿が見えなくなりました。残念! 残りの2個体は順調に育ちました。前蛹の数日前になるとすごい食欲だという記述に出合いましたが,そのとおり,今回はとくべつ印象に残るような食べっぷりでした。それで,前蛹期が近づいたなという予感がしました。
そして予感どおり,ある日の早朝2個体とも前蛹になっていました。一つはコップの縁で,もう一つは飼育箱の蓋で。孵化後,少なくとも 日と 時間が経っていました。同じ時間帯に別の葉で卵として生まれ,ほぼ同じ時間帯に孵化し,同じ時間帯に前蛹になったのです。もっとズレていてもおかしくはないのに,ほとんど一致するとは何ともふしぎな話です。
前蛹は一日以内に次の蛹に移行します。それで,たのしみにしてその瞬間を待つことにしました。
一つめの蛹化は午後7時にやって来ました。蓋に付いた個体です。皮を脱ぐ作業はたいへんな苦労が伴なうようで,筋肉の動きが生々しく伝わってくる中で,速やかに変化が訪れました。皮を落とすのに苦労しました。落ちたかどうかが,ちゃんとわかるしくみがあるようです。何かのセンサーがはたらいているのでしょう。落ちた途端に,動きが鈍くなったのには驚きます。
やがて,かたちが固まっていきました。
二つめはそれから2時間遅れて脱皮しました。こちらの方は,皮の落下まで実に滑らかな動きでした。
成長の進み具合がほぼ同時です。ほんとうにふしぎなくらいです。次は羽化に注目しておきましょう。10日後です。