8月8日(木)。いよいよ紙を漉く工程を迎えました。
午後2時,A君がやって来ました。さっそく,石臼と杵を使って竹繊維を叩いて砕いていきます。餅つきの要領です。おとな3人とA君とで4人。交代しながら,トントン,ひたすら叩きます。天気がよくなく,途中で雨が落ちてきて足元が濡れます。「繊維が細かくなってきた」「筋がばらばらになった」。そんな驚きが呟かれます。
叩くこと,1時間半。これを裏ごしに入れて,水洗いをします。「わぁー! 確かに小さな繊維になってきた」と,みんなびっくり。
次は,粘剤を入れて漉きます。「粘剤を入れ過ぎないで!」の声で,慎重に入れます。粘っこさが瓶から尾を引きます。
溜め漉きです。木枠に繊維を流し込みます。おとなが協力します。繊維が流れるように広がっていきます。粘剤の効果です。
漉き枠をそのまま上げて,水平に置きます。すると,均質な紙になります。水がゆっくり落ちていきます。
すべて,A君には初めての体験でした。手助けも得ながら,5枚の竹紙を漉きました。このあと,斜めに傾けて水切りです。このまま翌日までおきます。
終わると,午後5時近くになっていました。作業は3時間程かかったことになります。A君もおとなも,夢中で作業を続けたのでした。うまく乾燥するといいのですが。