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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

虫の目レンズを手に野へ(1)

2013-08-17 | 随想

虫の目レンズは虫の目線でとらえた虫及びその生息環境を写し出す特殊なレンズです。魚眼レンズでもありながら,レンズから被写体までの距離に関係なく,視野に入るものすべてに対し程々にピントが合うというすぐれものものです。ただし,このように虫が環世界を認識しているわけではありません。あくまでも,人の目で虫の目線に近づいた画像に過ぎません。

この“過ぎない”ところを敢えてクローズアップし,昆虫の世界を写し出そうとした人間の智恵が光ります。

あくまで程々のピントなので,標準的なレンズの解像度とは比べものになりません。画像のシャープさを求める人にはお勧めできません。画像の妙をたのしみたい方にはお勧めします。「おもしろいなあ」という範囲のものでありながら,人によっては虜になる方もあるようです。わたしもまたその一人で,そのおもしろさにすっかり魅了されています。

せっかくの撮影チャンスを満足のゆく仕上がりにしたいので,それなりの解像能力を備えたレンズを使っています。4本あるレンズのうち,いちばんのお気に入りは監視カメラ用の高解像度のものです。

視野角は180度近くあります。魚眼レンズの機能を持っているので,当然,水平方向及び垂直方向の線は弧を描きます。画面の周辺になるほど,その傾向がはっきり見られます。その曲がり具合がまた,じつにおもしろいのです。

そんな中から何枚かご紹介しましょう。

青空に映える緑の豆田。黒豆の葉にショウリョウバッタ。

葉の間に入ってしまえば,保護色が威力を発揮します。撮影場所は,わたしが気にいっている草むら。山裾の小さな草むらですが,出合える生きものは結構変化に富んでいます。 

シオヤアブは至るところで見かけますが,ここでも。 この日は,神経質なくらいに動き回りました。一瞬を見逃さずにシャッターチャンスを待ちます。

太陽光が降り注ぐ草むらは魅力いっぱい。