自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その254)

2013-08-08 | ジャコウアゲハ

ジャコウゲハが蛹になる場所は,じつにいろいろあります。

そんな中で,食草であるウマノスズクサの葉で前蛹になっている個体を見かけました。茎で蛹になったものを見たことは数回ありますが,葉に付いたものは今回が初めてです。考えようによっては,どこで蛹になってもよさそうなのにウマノスズクサの葉はあまり好まれないようです。なぜか,それはわかりません。一般的に葉は曲がりやすいので敬遠されるのかもしれません。 

よく見ると,葉脈のうちの主脈を利用しています。葉の骨格でもあり,からだを固定するには比較的安全です。

遠くにまで歩いて移動するエネルギーを節約できるよさがあるのかもしれません。手っ取り早く蛹になる場所を見つけたなあ,移動エネルギーを省力化したなと驚いています。 

激しい雨に見舞われ,からだじゅうが水滴だらけです。葉の裏でもこの程度の影響は覚悟しておかなくてはなりません。

翌日の夕刻,見ると蛹に変身していました。なるがままに,あるがままに,いのちは進んでいきます。

一週間もすれば羽化するでしょう。自然な成り行きとして。

 


アゲハの産卵

2013-08-08 | アゲハ(ナミアゲハ)

8月5日(月)午後5時。『アゲハ庭園』にアゲハが飛来。ちょうどそれを目撃しました。見ていると,あちこちの葉に前脚を触れて産卵場所を探しています。間もなくしてレモンの新芽に取り付き,産卵行動をしました。腹の先を曲げて,葉の裏に卵を産み付ける格好です。終わると,飛び去りました。

卵を確かめたくて,葉を見たときのことです。驚いたのって! これまでの観察だと,卵は離れた場所に一つひとつ産み付けられていたのですが,この日に見たのはずいぶん近くにかたまった格好で産卵がなされていたのです。こんな光景,初めて見ました。

同一の個体が産んだものかどうか,それは不明です。概ね,新しい葉に産み付けられています。その方が幼虫にとって食べやすいという点が考慮されているのかもしれません。

まだ苗木程度で樹高が150cmと低いので,好適な産卵場所が限られた結果,卵密度が高まった可能性があります。それにしても,ドバドバッという感じで付いているのです。

記録写真を見てみましょう。夕方雨が激しく降ったので,葉が濡れています。

若葉の裏に,それぞれ行儀よく産み付けられています。

左の2個と,右の1個は別の葉です。葉が重なっているのです。

別の葉では。

軟らかい葉に産み付けられています。右の卵は葉の表側に付いています。 

葉の表面に堂々と産み付けられた卵もあります。 

細めの幹にも。

おやおや,ちぎれた葉にも。よく見ていくと,幼虫が数匹いました。葉の断面から推測すると,それらが食べたように思われます。 

庭に柑橘類を植えるのは,生きものを呼ぶうえからも大正解のような気がします。もちろん,実よりもアゲハの成長を優先するつもりです。産み付け方まで見えてきました。