自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

トゲナナフシのふしぎ

2014-12-16 | 昆虫

初冬。自宅のコンクリート壁に,トゲナナフシがへばり付くようにしているのを見かけました。 トゲナナフシがこうしたところにいるのは,たいへん珍しいことです。

 
わたしはトゲナナフシの生態をまったく知らなかったのですが,これがきっかけで調べてびっくり。


ふつうは湿り気のある林に棲むが,晩秋になると日当たりのよいところに出てくるとか,野外で見られるのはすべてメスで,単為生殖で子孫を残すとか,植物種子そっくりの黒い卵を産み,それが越冬態だとか,敵に襲われたら自分から脚を 切り落とすとか,ほんとうにふしぎな生態なのです。

 
かたちは木の枝そっくり。擬態で天敵の目をごまかす手段になっているのです。棘があるのも,棘付きの葉にいて,それを食していることによるらしいのです。食樹には,たとえばバラ(棘がある!)やヤツデが含まれているといいます。

姿はカマキリのようでも,こちらは完全な草食性昆虫。似て非なる虫ということになります。

調べれば調べるほど,ますますおもしろく,ふしぎな昆虫に思われてきます。しばらく置いて,産卵するか見ておこうと思います。 

 


公園で見た昆虫たち

2014-12-16 | 昆虫

公園を歩いていると,チョウのようなガのような昆虫が翅をヒラヒラさせて飛んできました。それも2頭。ちっともとまる様子がなく,しきりに周りを飛んでいました。

やっと地上に降りたので,大急ぎで正体を確認。ガでした。シャクガのなかまでしょうか。 

そこからすこし歩いたところ,山の斜面にセイヨウタンポポの花が咲いていました。そして,そこにとても小さなハチが訪れていました。「この寒いのに,よくもまあ頑張っているなあ」という感じです。ハナバチのなかまでしょう。

熱心に餌を求めている感じで,撮影で物影を感じたかどうかわかりませんが,わたしにはお構いなしといったところです。指で触れると,飛ぶどころか歩いて花弁の縁に移動。しかし,飛ぶことなくまた元の場所へ。 

このあと,頭を花の奥に突っ込んで,また餌を食べるのに懸命。それが終わると頭を上にして出てきました。 


見事な顎の持ち主です。 

 


師走,ツマグロヒョウモンの幼虫(4)

2014-12-15 | ツマグロヒョウモン

自宅横の空き地でのこと。夏に生い茂っていた草が刈り取られ,今は丈の低い草が地面を覆い尽くしています。 その中にスミレがあります。そこは,夏,ツマグロヒョウモンの産卵行動を見かけた場所です。

今幼虫はいないかなと思って,ちょっとばかり確かめてみました。

びっくりしたことに,ちゃんといたのです。二匹も! しかし,そこはスミレの葉ではなく,枯れ草とツタの茎でした。スミレからわざわざ離れてそこにいたわけを,わたしは知りたいと思いました。


すでに霜が降りている時期なので,直に地温が影響する箇所では,多くのスミレは枯れかけています。でも,そこは草むらなのでスミレはまだ大丈夫です。とはいえ,いずれ枯れるでしょう。

こんな環境のもと,越冬態の幼虫たちはいったいどうやって寒い時期を乗り越えるのでしょうか。

以下は,同じときにスミレで見かけた生きものについての“ついで話”二話です。

その1。葉の裏に小さな繭がありました。長さ3mm。ごく小さな幼虫がつくったものですが,じつに丹念な糸を見て,びっくり。果たしてどんな成虫が出てくるのでしょうか。


その2。葉の裏にヒラタアブの幼虫がいました。大きさから考えると,スミレにいたアブラムシを食べて,ここまで育ってきたと思われます。


ちょっと観察すれば,ちょっとした発見が生まれます。生きものの動きが目立ちにくい今の時期としては,ありがたい出合いです。 

 


火起こし,そしてポップコーン作り

2014-12-14 | 随想

昨日(土曜日)。最低気温-1.9℃,最高気温8.7℃。木枯らしが吹き抜け,空は気持ちよく澄み渡っていました。

子ども探検隊のメンバーで,火起こしからポップコーン作りまでを体験しました。参加したのは子どもと親子連れを入れて8人。子どもの年齢層は幼稚園から5年生まで。

子らはそれまでに焚き木(小枝)を集めていましたし,すぐ脇には大きなクヌギの木があって落ち葉だらけ。焚き付けにはもってこいです。

じつは,午前中に他のところで事業を実施したので,その帰路,近くにある寺院の境内でシイの実を拾ってきていました。そのシイの実と,仕事場で栽培した落花生を加えて簡単調理をすることに。シイについては,まず説明してから生食で味体験をしてもらいました。反応はもちろん,「おいしい!」です。

さて,火起こし準備ができ,さっそく火打ち式発火法で発火作業開始です。これはすごく簡単に一人の子が成功。まったくあっという間だったので,参加されていた保護者はびっくり。

その火種を炎にして,それを焚き火にしていきました。火が燃えている間に,アルミ缶の口を切り開いて,コーン・油・塩を入れました。熾(おき)ができた頃,網を載せて,その上に缶を置きます。そうして,時折,火ばさみで缶を揺するのです。そのうちにコーンの弾ける音が聞こえてきました。


できたポップコーンは初めてにしては上出来。中をのぞいて,どの子も大喜び。味についても満足していました。同時に炒ったシイ・落花生もまたなかなかの味わいでした。


始めてから片付け終わるまで1時間。たったこれだけの時間で,充足感が満タンです。

活動メニューは子どもの挑戦欲とわたしのアシスト力で,これから次々に発展していきます。次回は縄文人が日常使っていたキリモミ式発火に挑みます。マア,困難なことは確かですが,子どもが「したい!」と強く希望するものですから,やってみます。

おとな(わたし)から子ども探検隊メンバーへの呼びかけメッセージはこれ! 「子らよ,群れよ。風と遊べ」。

 


葉裏に産付された正体不明の卵(また)

2014-12-13 | ホトケノザ

12月2日(火)。『続々々』の最終日12月2日の続きです。卵から出終わった幼虫の,その後の行動についてです。さて,卵殻を食べるのかどうか。

出てから3時間以上経過していたと思われます。ようやく幼虫は動き始めました。向きは殻の方です。ところが静止して,葉に生えた毛状の突起を引きちぎるような,食いちぎるような動きを見せました。これは食しているにちがいありません。


それから1時間ほど経ってようやく動き出して,殻の上にやって来ました。そして殻を食べるのかなと思っていたら,近くの突起をやっぱり食いちぎる動きをしたのです。


その後,殻に興味を示すような姿勢になりましたが,結局食べる行動には移りませんでした。


12月3日(水)。朝,幼虫と殻の様子を確認しました。幼虫は殻からすこし離れたところにじっとしていました。殻はそのままのかたちを保っていました。この観察だけでいい切れるわけではありませんが,幼虫は殻を食べないのかもしれません。

これって,ミリの世界の観察です。幼虫の体長はせいぜい2mmといったところです。

 


子どもに授ける生活の知恵

2014-12-13 | 随想

子どもたちに,ささやかでも実体験を通して生活上の知恵を数々授けたいと思います。理屈が体験に先行する教えでなく,体験と理屈とが相まって血になり肉になる教えをたいせつにしようと考えています。それで,どんな機会であれ,わたしは子ども自身の発見を大事にしながら,肝心なことはきちんと伝える姿勢を保持しておこうと思うのです。

今,ふるさとを感じる『ちょこっと探検隊』活動を展開しているところで,子どもは6人集まって来ています。この中でも,知恵授けを大事にしていこうと試みています。

先日は,裏山へ炊きつけ用の枯れ木を集めに行きました。その際にあった例を列挙しておきます。

例1。「一輪車を持って段差を登るときは,バックの姿勢になれ」。


枯れ木を運ぶために一輪車を持って行きました。途中,階段で一人の子が押して,もう一人が引き上げて無事に上がりました。そのとき,「もう一度下に降りて,今度は一人で上がってごらん」と伝えました。子どもは一瞬ためらったようですが,結局押して上がろうとしました。しかし,無理。それで,わたしは「バックして引っ張れば一人でできる」と言いました。実際その通りうまくできました。子どもたちは「なるほど」といいました。

例2。「ノコギリは,引くときに力を入れよ」。


ノコギリを使う経験は極めてすくないはず。見ていると,木を切るとき,前後構わず力を入れてゴリゴリッとやり始めました。それでわたしは,刃の並び方を見るように促した後,手本を示しました。あとはじつに簡単です。慣れない手つきなので上等とはいかなくても,できるようになりました。ここでも合点があります。

例3。「枝をある程度切った後,切り口を反対に向けて折れ」。

おしまいまで切り落とす場合もあれば,適当なところまで切ってあとはボキンと折る場合もあります。後者のときは,切り口を考えて折りやすい方向に力を入れる必要があります。ここでも納得がありました。

集めた枯れ木(焚き木)を一輪車で畑に運び込みました。一輪車の担当は交代していました。畑は太い木枠で囲まれ,その枠は一定の高さがあります。黙って見ていると,担当の子どもはちゃんと後ろ向きに上がっていきました。もちろん,スッと上がれたのです。

以上の内容はじつに簡単で,とりとめもないことです。しかし,体験を通さないことには身に付かない知恵でもあります。こうした知恵をできるだけ子どもたちに伝授しておきたいと思うのです。 

 


師走,ツマグロヒョウモンの幼虫(3)

2014-12-12 | ツマグロヒョウモン

過日,ツマグロヒョウモンの幼虫を見かけました。寒い中で生きているので,たいへんだなあと思ったのですが,ふつう越冬態は幼虫といいますから,冬越しの備えはちゃんとできているのでしょう。

コンクリートの側壁とアスファルト舗装道路との境に,スミレが生えています。スミレの葉が寒さにやられ,さらに虫に食べられた痕がたくさんあって,弱々しい限り。それで,葉の裏を見てみたのです。


そうしたら,そこに幼虫がいたというわけです。脱皮して脱ぎ捨てた皮もありました。


スミレの株は数株。離れたところに生えています。他の株にも幼虫がいました。 

 
これだけ葉が枯れてしまうと,ほんとうに越冬できるのかなあと心配になります。

 
植木鉢にもスミレを植えているので,一部をそこに移して観察を続けようと思っています。 

 


カマキリと風景

2014-12-12 | 昆虫

霜が降りると,カマキリは耐えられないはず。しかし,飼っていると霜にやられないのでそれなりに長生きします。そこまでしなくてもいいのですが,せっかく生きているのでモデルになってもらって,初冬の風景とともに写真に収まってもらいました。

隣りの知人が畑で種蒔き作業をされていたので,ちょこっとその中に仲間入りを。


その後,公園に出かけて撮りました。


撮っていると,親子連れが通りかかってわたしに話しかけて来られました。子どもが興味を抱いて,カマキリに近づいて来ました。そうして,「おじちゃん,なにやっているの」と聞きました。それで説明したら,「そんな写真が撮れるとはおもしろい!」とおっしゃいました。

その子にモデルになってもらってさらに一枚。


初冬の空は澄んで,スカッとした気分になれました。 

 


晩秋,ヒラタアブの幼虫

2014-12-11 | ホトケノザ

11月26日(水)。肌寒い一日でした。晩秋といっても,初冬と重なる時期です。ホトケノザに産み付けられた一粒の卵がいつ孵るか,気にしていたところ,朝見てみると,すでに孵化していました。そして,餌となるアブラムシを口にくわえていました。


餌のアブラムシといっても,誕生後間もない幼虫よりずっと大きなからだをしています。それをくわえて,軽々持ち上げているのです。大した力の持ち主です。


アブラムシの体液を体内に摂り込めば満腹感が当分続きそうですが,どうなのでしょう。

話は変わりますが,わたしの知る越冬態は蛹です。生まれたばかりのこの幼虫はこのまま成長して極寒期前に蛹になるのでしょうか。寒さの影響で,大きなダメージを受けることはないのでしょうか。 

 


初冬のナナホシテントウ

2014-12-10 | 昆虫

空き地でカラスノエンドウが芽を出し,茎を伸ばしてきました。カラスノエンドウは種をどっさりつくって落とし,他の草が枯れた冬早々ゆっくり生長し始めました。光を独り占めできる作戦が功を奏しているようです。

そこにナナホシテントウが何匹もやって来ています。理由は簡単。アブラムシが発生するからです。


テントウムシは幼虫も成虫もアブラムシが大好きです。想像以上にたくましい顎を備えていて,それでアブラムシをグイッとばかりに捕えます。 


アブラムシを探して回っている幼虫を見ているとき,偶然,ウンコをしました。曲がっている腹端を伸ばすようなしぐさをするので,排泄かなと思ったら,案の定そうでした。下写真にはウンコが写っています。

 
幼虫が捕食している姿を撮りたくて幼虫を探していたら,ちょうどその場面を目撃できました。見ていると,じつに旺盛な食欲ぶりなのです。パクリパクリ,ムシャムシャといった感じで,顎の大きな動きがスゴイばかり。

 
次は,成虫が捕食するのを見たいものです。その機会に恵まれるかどうかは,タイミングの問題です。 いつのことになるやら。