ひでんかの”雅でない”日々

庶民の"ひでんか"の日々はちっとも雅じゃないけれど、いろんな人達と楽しい毎日を過ごしています

一日一善

2004-08-22 23:14:40 | ひでんかの「ちょっとした事件」
一日一善。
昔は、結構聞いたような気がするのですが、最近は死語になってしまったのでしょうか?

「道の駅めぐりVol.3」を書くつもりだったのですが、その道中で”善いコト”(と、自分では思っているのですが...)をしたので、そのことを書きます。(本編は明日...の予定)

今日の「道の駅巡り」
ルートの最後が今年からスタンプラリーに参加した「道の駅・あしがくぼ果樹公園村」でした。
ココのスタンプ開設時間は午後7時までで、もともと間に合わなければ次回に回そうと思っていました。
それでも一応、間に合うように努力をし、結果は到着したのが午後7時10分くらいでした。
「10分くらいだったら、まだ片づけとかしていて、運が良ければ間に合うかな?」なんて甘い考えを持ちながら、到着したら既に案内所は真っ暗。
仕方なく、トイレに寄って帰ることにしたのですが、トイレに入ってドアを閉めたら、ドアのフックにウエストポーチが掛かっているのに気が付きました。

まず最初に「忘れ物だ」と思いました。(ココまでは誰でも思うでしょ)
次に考えたのが
「このまま行くか。それとも手に取るか。」
でしたが、ここも一応手にとって、中を確認することにしました。

バックを開けて最初に目に入ったのがお財布
次に保険証
そして携帯電話でした。

ココでもう一度、このまま立ち去るかどうか考えたのですが、保険証を見たら家族の名前があります。
持ち主はご同業者=主婦のようです。
更に、保険証の名前を見たら、名字が私の旧姓と同じでした。
(この近辺ではあまり無い名字だと思います。)
なんて偶然!!!
これは、このままにはしておけないと思いました。

ただ、道の駅ももう閉まっているし、最寄りの交番もどこにあるか判りません。
すぐ近くに芦ヶ久保の駅はありますが、同じ駅でも道の駅の忘れ物を鉄道の駅に預けるのもなんだか...と思い、携帯を開いてアドレス帳を確認したら、自宅その他の登録がありました。
まず自宅に掛けたら留守のようです。
(そりゃそうでしょ、家族で出掛けたなら、まだ着かないはず。ちなみに、ご住所は県南部、ココからだと我が家までの距離の倍近くあると思われます。)
次に保険証で確認したご主人の携帯へ掛けてみました。
「○○さんでいらっしゃいますか?」
「ハイ」
「私、今、「道の駅・あしがくぼ」のトイレで、奥様の物と思われるバックを拾ったのですが...」
「あ、今、女房が一緒にいますので、聞いてみます。」
<電話の向こうのやりとり>
「あしがくぼへ寄った?」
「うん」
「バック持ってる?」
「え?バック?あ、無い!!」
<奥さんに電話を替わり>
「スミマセン。それ私のバックです。」
「そうですか?中を見たら、大切な物がいろいろ入っていたので、道の駅は閉まっているし交番も近くになかったのでとりあえず、今、持ってきたのですが...」
「あ、スミマセン。え~と、でも、かなりコッチの方へ来てしまっているのですが...」
「今は、どちらですか?」
「ええぇっと、ココはどこ?あ、○○です。
(きゃあぁぁぁ~、なんという偶然!!そこは我が家のある市です。)
「あ、○○でしたら、今、これから○○へ帰るところなので、そこで待っていて頂けますか?」
「○○の方なんですか?」
「ハイ、そうです。で、そこは○○のどこでしょうか?」
「えっとココは...」
(「その携帯、電池切れるから」というご主人の声。)
「あ、でしたら、○○のどこか、具体的な場所が判ったら、この携帯(でんかの携帯)へお電話頂けますか?」
「ハイ」
ほどなくして、電話があったのですが、ちょうど山間の道を走行中だったので電波状態が悪く、15分ほどしてかけ直して貰うことにしました。
その間も、とにかく帰路を急ぎます。
「○○のどこかなぁ?」
「自宅が◇◇みたいだから、ルートとしてはR16に出るか、R463かも...」
「××(道順で手前の市)寄りだといいけれど、△△(向こう隣の市)寄りだとちょっとねぇ...」
「そうしたら少しコッチへ戻ってきて貰おうか...」
車中、家族で場所を推定し、受け渡し場所(何かの取引みたい?)の話題で盛り上がりました。
そうこうしているうちに、再度電話が鳴りました。
「今、電話は話しできますか?」
「ハイ」
「では、こちらがいる場所ですが、R299の●●という場所のスリーエフというコンビニです。近くにマックがあります。」
「あ、ソコだったら判ります!あと2,30分で行けると思いますのでお待ち下さい。ちなみにお車は何ですか?」
「シルバーのパルサーです。」
「こちらは黒のワゴちゃん(とは、言いませんョ。ちゃんとワゴンRと言いました。)です。」
大×3ビンゴです!!
そのコンビニだったら、正に帰り道のルートの真上にあります。
これで、余分な寄り道も不要になりました。

話したとおり30分弱で約束のコンビニに到着しました。
駐車場の端に、言われたと売りの車と、その横に立っている親子連れが見えました。
「こちらのバックですか?」
「ハイ、そうです。」
「ご住所とか調べるのに、中を見させて頂きましたが...」
「それは、もう...。本当にコレが無かったら、我が家はどうなっていたことか...その上、わざわざ届けて頂いて」
「本当に偶然で。ちょうど、ウチはこの先なので...」
「本当に善い方に拾って頂けて...」
「いえいえ、実は菜かを見させて頂いたときに、保険証のお名前が私の旧姓と同じで、珍しかったので」
「え~、そんなご縁があったとは...」
「とにかく、ヨカッタです。それでは...」
ここでサッサと帰ろうとしたら、
「お名前と御連絡先を」
と仰るので
「いえいえ、そんな、運良く帰りがけでしたし」
と車に乗り込みましたが
「ここでは、お礼もできませんし」
「いいですよ。本当についででしたし」
「いえいえ、それでは困ります!!」
このまま押し問答になってしまいそうだったので、名前と住所を出されたメモに書きました。
そのままワゴちゃんは走りだしましたが、親子3人でずっと見送ってくれました。

お子さんはウチの息子より小さかったですが、たぶん、私達家族と同じ年代のご一家とお見受けしました。
実は、最初にバックの中を見たときに、もし現金や貴重品が既に無いような状態だったら、そのままにしておこうと思いました。
器の小さい人間で困ったことですが、その状態で届けて、あらぬ疑いを掛けられたら面倒だと思ったのです。
でも、大切な物がそのまま入っていたのと、何かこのままにしておいてはいけないような気がしました。
(まだ記憶に新しい、パスポートのために成田まで来てくれた、パパ・ライダーさんのことがチラっとアタマをかすめました。)
でんかにしても同じコトを考えたようで
「よかったねぇ、普通の人で。もし、わざわざ届けたのに、ヘンなイチャモン付けられたら困ったでしょ」
と言いました。
「本当にヨカッタねえ、いい偶然がいっぱい重なって。それに、あんなに嬉しそうな顔していたし...。やっぱり、誰かに喜んでもらえるって、いいねぇ、心が温かくなって...」
すると、息子が
「それはいいんですけど、ものすごくお腹が空いているんだけど...」
そういえば、「忘れ物を届けること」に集中していたので、お腹が空いているのを忘れていました。
「確かに、お腹は空いてるけど、いいじゃない、誰かに喜んでもらえたんだから...」
「そりゃあ、良いことをして胸はいっぱいになるけれど、お腹はいっぱいにはならないからね
byでんか。
むむむむむ。
なんて即物的!全く、心が豊かじゃないんだから.....。
けだし、名言です。

「さ、早く帰ってゴハン食べましょ!」
我が家は、そんなモノです。

コメント
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