へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

タコ壺保健室のもめごと

2007-04-05 21:57:50 | へちま細太郎
「いつまで置いとくの、この化け物」
(仮)亀梨1号は、入り口に陣取る不気味な蘭…パフィオ・ペディルム・ペンダントグッズをつつく。
「中島教授が持ち帰ってくれへん」
書類作成中の匿名希望の東山先生が、(仮)亀梨1号に中に入れとも言わずに返事をする。
「こんなんじゃ、誰も寄りつかないんじゃないの?」
「あんた、来てるじゃない」
顔も上げない匿名希望の東山先生。
「いいじゃんよ~。おととい阪神勝ったじゃないですか~。金本満塁ホームランでしょ~」
「失恋男に興味はない、とっと帰れ」
「カンベンしてくださいよ~」
と、とたんに奥からいびきが聞こえてきた。
「あいつはいいの?」
(仮)亀梨1号は、奥に寝ている片山教授を指差した。
「いいわけないだろうっ
「追い出せば?」
「起こしても起こしても、根が生えたように動かへんねんで、シバいたろか、もう~」
というなり奥へすっ飛んでいった。
まもなく(仮)亀梨1号の耳に、怒鳴り合う関西弁と栃木弁が聞こえてきた。
「な~んなんでしょうね~、ここは」
そう不気味な蘭…パフィオ・ペディルム・ペンダントグッズに向かって話しかけると、(仮)亀梨1号は、タコ壺保健室をあとにした。
いったいコイツは何をしにきたんだ?
コメント
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