「怪談だな」
「ホラーだよ」
おとうさんと藤川先生がまた漫才してます。おまけに、電気も消して…。
「ホラーでも怪談でも、ばあさんがいちばんこわい」
今度はおじいちゃんです。
「それはぬかして」
おとうさんがあきれると、
「いんや、ばあさんだ」
とおじいちゃんもゆずりません。
「全く、おふくろさんに失礼だろ」
藤川先生はおばあちゃんファンだから、おばあちゃんの悪口を言われると機嫌が悪くなります。
と、その時、
「なんか私の悪口言った?」
と、ドアが開いておばあちゃんが入ってきました。
「うわっ」
「なんだよっ」
「ひぇっ」
「げっ」
暗闇に真っ白な顔だけが浮かんでいました。
僕たちのかたまった顔を見ておばあちゃんは、
「あら?パック取るの忘れてた」
と言って、お風呂に引き返していきました。
「…」
みんな無言。
へちま細太郎でした(・_・;)。