こんばんは、へちま細太郎
です。
鎧甲のおじさんはテレビが大好きだ。 大好きすぎて、ついには、
「テレビに出てみたい。ドラマとやらに出てみたいものよ」
と、言い出した。
「なに言いだすのかと思ったら」
おばあちゃんは“必殺仕事人”のDVDを見ながら、呆れた顔で鎧甲のおじさんをみた。
「映るわけないだろ」
小さな声でおとうさんがつぶやいている。 やっぱり見えてんじゃん。
みんなはおとうさんのつぶやきを聞こえないふりをして、
「役者になるって、どんな風に」
「映像に映らなかったらさびしいでしょうが」
と、鎧甲のおじさんを口々にからかっていたけど、
「わしは本気じゃ」
と、真剣な眼差しを向けてくるのでみんなは顔を見合わせた。
「テレビ好きが高じて役者になりたいなんていう、幽霊がいてもおかしくあんめ」
藤川先生のひとことで、
「確かに、おかしくはないねえ」
「見えてる人に見えてればいいんじゃん」
と言ったもんだから、すっかりその気になっちゃった。
「成功するまで戻らないからな」
決心かたそう。言うことまで一人前だ。
やれやれ、どうしてぼくのうちは変な人しかいないんだろ。

鎧甲のおじさんはテレビが大好きだ。 大好きすぎて、ついには、
「テレビに出てみたい。ドラマとやらに出てみたいものよ」
と、言い出した。
「なに言いだすのかと思ったら」
おばあちゃんは“必殺仕事人”のDVDを見ながら、呆れた顔で鎧甲のおじさんをみた。
「映るわけないだろ」
小さな声でおとうさんがつぶやいている。 やっぱり見えてんじゃん。
みんなはおとうさんのつぶやきを聞こえないふりをして、
「役者になるって、どんな風に」
「映像に映らなかったらさびしいでしょうが」
と、鎧甲のおじさんを口々にからかっていたけど、
「わしは本気じゃ」
と、真剣な眼差しを向けてくるのでみんなは顔を見合わせた。
「テレビ好きが高じて役者になりたいなんていう、幽霊がいてもおかしくあんめ」
藤川先生のひとことで、
「確かに、おかしくはないねえ」
「見えてる人に見えてればいいんじゃん」
と言ったもんだから、すっかりその気になっちゃった。
「成功するまで戻らないからな」
決心かたそう。言うことまで一人前だ。
やれやれ、どうしてぼくのうちは変な人しかいないんだろ。