こんにちは、へちま細太郎です。
百合絵さまの文字通り“ゆり”な恋愛と、京尼さんの忘れられない恋は、見ていて心に重苦しいものを残した。
う~ん、ぼくは自分の恋愛の方が、この夏休みの間中ちっとも進展していないことに気付いた。
そういえば、りょうこちゃんに全然会っていない。
電話もしていない。
どうしちゃったんだ、ぼくとしたことが…。
やばいぞ、これは。
ぼくは、うろうろと歩き回っているうちに小学校に入り込み、いつの間にかコケ吉の前に立っていた。
まだ、生きていたんだ、こいつ。
「なんだ、エサをやりにきたんだ」
という懐かしい声に振り向けば、
「あ、ゆーすけ先生」
と、6年生の時の担任が立っている。
「コケ吉もじいさんになったんだぞ。たまにな、りょうこやきょうすけが来てくれてエサを持ってきてくれるんだ」
「え?きょうすけが?」
ぼくは久しぶりな名前をきいた。まじめなクラス委員だったやつだ。
「あいつ、元気でしたか?」
「元気も元気、中学校でも生徒会長とテニス部の部長をやっていて、たまにりょうこと二人でくるぞ」
なに~?
きょうすけとりょうこちゃんが?
「そうか、おまえら孟宗にいったからなあ、クラス会とかしないのか?」
と、さみしそうだ。
天然ボケのゆーすけ先生のことなんかどうだっていい。何できょうすけとりょうこちゃんがいっしょなんだ?
どういうことなんだあああああああ。