花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

雫井脩介著「犯人に告ぐ」

2007年10月22日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
雫井脩介著「犯人に告ぐ」。2004年大薮春彦賞を受賞したベストセラーを読んだ。

奈川県警の警視、巻島史彦は、幼児誘拐犯「ワシ」を横浜の山下公園で大捕り物の末取り逃がし左遷されていた。
年後、巻島は、自称「バットマン」による幼児連続殺人事件解決のために、ふたたび呼び戻される。
査に行き詰まりを見せていた神奈川県警は、現役警察官をニュース番組に出演させて直接犯人に呼びかけ、解決の糸口をつかもうと目論んだのだった。
ロローグともいえる山下公園での犯人との交渉はぐんぐん読ませる。
中ほどのニュース番組の段階ではチョット現実離れしているような感じで、テンポが遅くなったが、警察内部の裏切り者に罠を掛けるあたりから、ふたたび面白くなり一気に読んだ。
の捜査にあたり、巻島が選んだ、左遷先の足柄署に勤務する津田良仁巡査部長が良い。人情味があってキラリと光る。
レビニュースに取り上げる了解を得るため、巻島と津田は被害者の親のところへ出かける。
失意と憎悪を警察に向ける両親に津田は答える。
「私には弟がいましてねえ。私が十二で弟が三つでした。近所の池で溺れてしまいましてね。それまで死というものが怖かったんですが、幼い弟がいる死後の世界を思うと、生きることが楽になりました。死んだ弟に勇気付けられているのです」
に訪れた家は、母一人子一人だった。失った子供のために、母親は骨身を砕いて犯人の情報集めに奔走した。子供には何もしてやることが出来ない、しかし、出来る限りのことはしてやりたい。「でもお母さん・・・」苦悩する母親に津田は声をかけた。
「無理はせんでいいんですよ。あなたは無理をせんでいいんです」
た、ついに内部の裏切り者を突き止めた巻島に、津田が語りかける。
「人を叩き過ぎちゃ、いかんのです・・・
叩けば誰でも痛いんですよ・・・・
痛そうじゃないから痛くないんだろうと思ったら大間違いだ・・・
それは単にその人が我慢しているだけですからな」
これは教訓でございました。ハイ!

豊川悦司で映画化された。公開は10月 四日市では上映未定
コメント
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