語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】「養生訓」に叱られる ~食べないという健康法~

2018年06月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 江戸時代の儒学者で食の養生家である貝原益軒は「養生訓」で「夜食する人は、暮れて後、早く食すべし。深更にいたりて食すべからず」と夜遅く食べることを戒めている。さらに次のような一節もある。
 「朝食いまだ消化せずんば、昼食すべからず。点心などくらふべからず。昼食いまだ消化せずんば、夜食すべからず。前夜の宿食、なお滞らば、翌朝食すべからず」。
 点心とは軽食、間食のことで、とにかく食べたものがしっかり消化して空腹になるまでは次の食事を入れるなと言うのだ。
 分かっているけれど、おいしそうなものを見ると食べたくなってしまう・・・・。そう思っていたら、次の痛烈な一節が目に入ってきた。
 「およそ食傷を治すること(食による胃腸病を治すには)、飲食をせざるにしくはなし」「養生の道を知らぬ人、殊に婦人は智なくして食滞の病も早く食をすゝむる故、病おもくなる」。
 江戸の昔から女性たちは食べることが大好きだったようだが、健康のためには何はともあれ節制が大切だとはっきり教えてくれる。

□南雲つぐみ(医学ライター)「「養生訓」に叱られる ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月31日)を引用

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