語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【原発】千葉県の被害甚大 ~地価で推定した放射能汚染被害額3兆円~

2017年08月06日 | 震災・原発事故
 <(前略)原子力発電の費用を考える際に避けて通れないのが事故が起こった際の損害の大きさの推定である。福島第一原発の事故で発生した損害の大きさは今後の参考になるが、その一つが、放射能汚染によって発生した土地に対する損害の大きさである。避難指示区域に関しては損害の大きさが推定され、補償などにも用いられているが、放射能汚染は広域にわたっており、その全域における被害額はまだ知られていない。
 そこで筆者は、日本大学の行武憲史准教授と共に、文部科学省が作成した放射能汚染マップと国土交通省が作成した土地取引価格のデータベースの情報を接合し、放射能汚染が起こった地域における事故前後の取引価格の変動を調べることで、放射能汚染がその程度に応じて土地価格をどれだけ引き下げるかを推定した。その上で、放射能汚染が起こった住宅地の面積をそれぞれの汚染の程度ごとに求め、汚染の程度が土地価格に与える影響と掛け合わせることで住宅地に対して与えられた損害の総額を計算した。
 放射能汚染の濃度と地価下落の関係について置く想定によって住宅地の被害総額は変わってくるが、筆者らが出した推定値は3兆円となった。県別では千葉県が9,300億円と最も被害が大きく、福島県の6,900億円がそれに続いた。千葉県における放射能汚染の度合いは比較的限定的であったものの、元の地価が高かっただけに大きな被害をもたらした。(後略)>

□川口大司(東京大学経済学研究科教授)「千葉県の被害甚大/地価で推定した放射能汚染被害額 3兆円 ~数字は語る~」(「週刊ダイヤモンド」2017年8月12日号)から引用
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