<この講座では詳しく説明しませんでしたが、剰余価値の作り方は二つあります。一つは絶対的剰余価値の生産。これは労働時間を長くするんです。これには触れました。24時間働かせたら死んでしまうから、限界があります。事実、イギリスの1850年代、60年代の労働者の平均寿命は18、9歳でしょう。一日の労働が20時間とかありましたから、それは死んじゃいますよね。
あるいは別の手法で、労働を強化する手があります。チャプリンの『モダン・タイムス』を見た方は覚えていると思いますが、資本家が「少しベルトコンベアのスピードを速くしろ」と命令したら、チャプリンがネジを締めるのが間に合わなくて、機械の大きな歯車にぐるぐる巻き込まれてしまう。ギューッと搾り取るほど搾取を強化している仕組みを映像で見せていましたね。ああいうやり方も、チャプリンが喜劇的誇張で示したように、限界がある。
だから、二つ目の相対的剰余価値の生産が大事になってきます。これは何かと言うと、イノベーションです。前にも例を挙げたように、ボールペン一本作るのに100円かかっているとろこで、うちは新しい技術を開発して80円で作ることができた。市場の中でその差の20円が相対的剰余価値になる。その技術はだんだん追いつかれて、みんなが80円で作れるようになる。今度は70円で作る技術を開発しないと、相対的剰余価値は得られない。こういう構成です。>
□佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014)の「6 直接的人間関係」の「剰余価値の作り方」から一部引用
【参考】
「【佐藤優】制約条件をわかった上でやる、突き放して見る ~いま生きる「資本論」(3)~」
「【佐藤優】アベノミクスとファシズム ~いま生きる「資本論」(2)~」
「【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~」
あるいは別の手法で、労働を強化する手があります。チャプリンの『モダン・タイムス』を見た方は覚えていると思いますが、資本家が「少しベルトコンベアのスピードを速くしろ」と命令したら、チャプリンがネジを締めるのが間に合わなくて、機械の大きな歯車にぐるぐる巻き込まれてしまう。ギューッと搾り取るほど搾取を強化している仕組みを映像で見せていましたね。ああいうやり方も、チャプリンが喜劇的誇張で示したように、限界がある。
だから、二つ目の相対的剰余価値の生産が大事になってきます。これは何かと言うと、イノベーションです。前にも例を挙げたように、ボールペン一本作るのに100円かかっているとろこで、うちは新しい技術を開発して80円で作ることができた。市場の中でその差の20円が相対的剰余価値になる。その技術はだんだん追いつかれて、みんなが80円で作れるようになる。今度は70円で作る技術を開発しないと、相対的剰余価値は得られない。こういう構成です。>
□佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014)の「6 直接的人間関係」の「剰余価値の作り方」から一部引用
【参考】
「【佐藤優】制約条件をわかった上でやる、突き放して見る ~いま生きる「資本論」(3)~」
「【佐藤優】アベノミクスとファシズム ~いま生きる「資本論」(2)~」
「【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~」