ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

「不登校・ひきこもりセミナー2021」報告

2021年08月08日 16時28分45秒 | 不登校・ひきこもりセミナー
 東京オリンピックが最終日となった本日、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、2か月半以上経ってしまいましたが、当スタジオ最大の年次イベントである「不登校・ひきこもりセミナー」について報告いたします。
 去る5月22日(土)に4回目の開催となった今回は、初めてオンライン開催となりました。
 全国どこからでも参加できるとあって、定員を超えるお申し込みをいただく(欠席者が数人出て定員内に収まる)盛況でした。また、当事者経験者や家族以外のご参加が約4分の1に達したのも初めてのことでした。

 前回も取り上げた、ひきこもり状態の人への暴力的詐欺的な悪質支援業者やその報道をめぐる問題。今回はそれを受けて悪質支援業者やそれを取り上げる報道に共通する「学校/社会の側に立った不登校・ひきこもり論」に対抗しうる「本人の側に立った不登校・ひきこもり論」の旗を立てる内容をめざしましたが、すべてのプログラムを通じてそのようなイベントにすることができたと自負しています。

 第1部は講演。『不登校・ひきこもり対応に物申す~“復帰ありき”への対案~』という戦闘的なタイトルのもと、代表兼相談員の丸山が話しました。

 まず、いつもどおり本人の心理を説明するだけでなく、それと家族・支援側の見方や対応方針との食い違いを明示しました。次に、悪質支援業者に頼らないで済む対応を提言。「悪質支援業者に共通する不登校・ひきこもり観」、去年の「特別定額給付金」、おととしの「登戸バス停通り魔事件までの川崎市の相談対応」と、具体例を挙げて本人の心理や人 権を尊重した対応・支援のあり方を伝えました。

 アンケートには“「引きこもりは生きざま」というワードに驚きました”という支援者の方や“「ひきこもり状態の人の心的世界」を知らずして支援を語ることはできないのだと、目から鱗が落ちた思いがしました”という新聞記者の方のご感想が見られました。

 第2部は自由選択の分散会。丸山と同じ“経験者相談員”を招いて行う「対談」では、依存症やひきこもりの分野で本人と家族の相談などにたずさわりながら「ひきこもり人権宣言」の起草に取り組んでいる当事者グループの共同代表である藤原秀博氏を招いて話を聴きました。
 氏は「家族はなぜ悪質支援業者に依頼してしまうのか」「悪質支援業者はどうして生まれるのか」「本人と家族に必要な支援者とはどんな存在なのか」を分析し「愛」をキーワードにした家族論や対応・支援論を展開しました。
残った時間で互いの共通項を確認し合いながら、参加者の質問に答えました。

 アンケートには“藤原さんも丸山先生と考え方は同じであり、第1部で学んだ上で対談を聴いたことで、さらに考え方についての理解が深まりました”という相談従事者の方のお声がありました。

 当スタジオが毎年通年開講している連続講座「ヒュースタゼミナール」でゲスト講師をつとめる割田大悟氏の進行で、前年度の修了者のうちふたりが語る「座談会」では、氏が本人の側に立ったひきこもり論として「リカバリー」という考え方を紹介したあと、元当事者の方と居場所運営者の方への質問を通じて、各人の不登校・ひきこもりへの関わり、ゼミの内容や受講して丸山から受けた影響、などが語られました。

 アンケートには“割田さんの「回復」と「リカバリー」の違いが明確に分かりました”という当事者の方の納得感や“もう少し当事者としての話を伺いたかった”という行政職の方の不満がうかがわれる記述がありました。

 初めてのオンライン開催でしたが、ZOOM操作に熟練している方がスタッフのトップに立ってくださったおかげで、安定して運営することができました。ご出演の皆様とご参加の皆様とともに、スタッフの皆様に厚くお礼申し上げます。

 台風が到来している折、お気をつけてお過ごしください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 代表公式ブログ開設のお知らせ | トップ | 『ごかいの部屋』バックナン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

不登校・ひきこもりセミナー」カテゴリの最新記事