中部大学の武田教授がブログにまとめ記事を書いてくれた。ただ夕べこれを読んだとき、原子炉の中と外というくだりで、ちょっとパニックになった。え!セシウム134が増えているの!だ。ウラン235がそんなに大量に放出されているのか?と読み違えをしてしまいました。
中性子が無い状態でウランからセシウムが出来る事はほぼ無い。確立上宇宙からの中性子が、ウランに当たって核分裂が起きてセシウム134が出来る事はあり得る。しかしそれはどの程度の確率なのだろうか。どちらの密度も薄すぎる。ほぼあり得ない事だけは確かで、あったとしてもこの数字ではない。
そこで降下物の計測を考えてみた。降下物を受ける水盤というものだが、たらいみたいなもので風で飛ばないように固定されているようだ。生け花でいう水盤のように、薄い容器ではない。かといってビーカーのように直径より高さがある容器でもない。
大気の状態や、周囲の状況でデーターが変化することは考えられる。
そこでいったん理論値を出してみます。そこでカシオが運営しているサイトで計算してみたのがセシウム137対134の1年間の減少のグラフ。事故があった時のセシウム134と137が同量だと書いています。実際は137がわずかに多いようです。
計算サイトはこちら。http://keisan.casio.jp/
さてこれで得られた値と盛岡で一番セシウムが降った日のデーターから、1月2日のセシウム137対134を計算すると、1,38になります。
盛岡ではこの時期の毎日の降下物データがないので、比較出来ません。これは本当に残念な事です。
それでは福島の例のデーターをみます。試料採集容器を設置した日で言いますが27日はセシウム137対134は1.58、28日はセシウム134のみ検出、29日は1,45、30日は1.40、31日は1.23、元旦は検出なしで、2日に大量に降って1.4、三日に1.32、次が1,37、そして1.56になります。
結論から言えば、ばらつきが大きいです。これは降下物の受け方にも問題がありそうです。しかし基準点としてのバラツキなので、全体の傾向を見る指標にはなります。
ただこの点は大切です。まず世界は均一ではないという事です。山あり谷あり、高気圧あり低気圧がありラニャーニャあったりと条件が複雑に変わってゆきます。もしかすると台風で舞い上げられたセシウムが上空に飛んで、落ちてくるまでに時間がかかっただけなのかもしれません。全く解りません。
盛岡でのデーターを見ても初期にセシウム134が多い時期もあります。今回の福島でもセシウム134しか検出されていない日があります。大気を相手にしているのでそうなるのでしょう。
まず基準点としてこの計測値を見るのが大切だと思いました。全体でどうかとか本当はどうかとは、問う前に対策をするべきだと。
基準点が異常値を出したら、我々は警戒するべきだ、という事です。ただ残念な事に、明日にならなければ今日降っているのかが解らない事です。それでも自衛にはなります。
大気中に希薄に存在しているうえ、自然放射線の挙動もあってガンマ線から計測するのは難しいと思います。
そもそもどの程度福島第一から核物質が出たのか、その核種はどうなのかとか全体が解っていないと思います。
逆説的に、理論値に近い値かもしれない福島の値だと思います。
とりあえず現在はどうやって防護しようか、となりそうです。ただここでクオリティ・オブ・ライフという視点も考えたいと思うのですが、ここから先は哲学になりそうで、やっぱり荷が重い話しです。
追記
しばらく降下物の毎日の計測は、絶対必要なのではないのかと思います。でないと警報も作れません。とはいってもムリなんでしょうね。法律でがんじがらめになっていると思っている人たちは。