どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

腐ってもオリンパス

2012-01-13 02:51:49 | インポート
12月に無事収支報告署を東証に提出して、注意喚起銘柄指定になり上場廃止はいったん無くなりました。そして内部調査書も出て事件は収束に向かっています。今の経営陣の早期退陣も予定され、会社は過去に不正を行った役員に損害賠償請求を行いました。ウッドワード元社長が社長に返り咲くかとも思われていましたが、日本の大株主から総スカンをくらって退場しました。
まあこれらの件に関しては批判は一杯あります。ただオリンパスも腐っていれば、それを守ろうとする経済界も腐っていると、言えましょう。
さて長期的に見るとオリンパスは大丈夫だと言われていますが、短期的に見ると借金も多く、株主訴訟等も抱えているため、最低でも資本提携などを行わなければ行けないと言われていました。
その花婿たちがそろい踏みしたようです。



2012年1月12日(木)03:01 朝日新聞
 損失隠し問題で経営再建中のオリンパスは、他社との資本・業務提携によって再建を目指す方針を固めた。ソニーやパナソニックなど国内外の5社を軸に提携先の検討を進めており、近く各社が提出する事業計画案を比較し、2月にも提携先を決める考えだ。

 関係者によると、候補企業はこのほか、富士フイルムホールディングスと、資本関係もある医療機器会社のテルモ、韓国・サムスン電子。すでにオリンパスが提携先探しを委託した証券会社が各社から提携後の事業計画の説明を受けており、一部の企業は計画案を書面でも提出している。



キラ星のような花婿たちです。これをオリンパスが選べれるっていうのが、そもそもすごい事だ。こんなキズものなのに、サムスンにソニーにパナソニックに富士フィルムホールディングス、そしてテルモだ。これだけがそろうのは壮観だ。普通あり得ない。
さて下馬評だが、圧倒的にサムスンが取りにくる。この中で最も金を動かせれる企業だ。医薬品業界には深くない。この最先端領域を本当に欲しいだろう。そして韓国企業が日本の大ブランドを取りにくるというイメージアップも期待される。
ソニーとパナはそれに続くが医薬品業界のディープな所には入っていない企業でもある。多分ここも欲しくてたまらないだろう。
フジフィルムホールディングスは、X線フィルム関連からはじまって医薬品業界ズブズブの部門を持っている。つまりオリンパスと構造が似ている。私もX線イメージャーやフィルムで、昨年は大変お世話になった企業だ。この中でなめては行けない企業がテルモだ。オリンパスと資本提携にあるだけではない。テルモはディスポーザブル医療器具のナンバーワン企業だ。仁丹が作った体温計から出たメーカーだが、知る人ぞ知る大企業である。
さてこの傷物花嫁はどの花婿を選ぶだろうか。猛烈なアタックをしてくるのはサムスン。オリンパスのすべてが欲しいはずだ。サムスンもカメラを作っている。ただこの業界以外と特許がものを言う。光学系の特許群は欲しいだろう。それだけではない。オリンパスには国産化出来ない領域を持っているからだ。システムワンパケージングの能力だ。これは実は侮れない。正、オリンパスの大株主が難色を示す。経団連から経済同友会まで難色を示す、更には東証まで難色を示す。最高の花婿なのだが、無理だろう。大体花嫁が企業文化ウンヌン言っている時点で、2年後には亭主関白となる花婿は嫌いだろう。
ソニーとパナだが、まずパナは無い。理由は簡単。根本的に大阪の企業が東京の企業と組めるのかだ。それでもパナと組むとしたら、カメラ関連も全部面倒見ますになるのだが、ライカとの提携が問題になるだろう。
それではソニーなのだが、コニカミノルタのカメラ部門を吸収している。オリンパスとしてみれば自社ブランドを高く買って欲しいのだが、ソニーにとってはメリットが無い。シナジー効果が最も薄い組み合わせだ。
フジフィルムホールディングスが、実は最適な組み合わせになるだろう。資本の大きさや医薬品業界に対してシステムで売る強みを持っている。カメラ部門も共に弱小でならしてきたが、互いに棲み分けもしてきた。一番大きいのはおっとりしている所だろう。開発重視も似ている。なので私はフジが一着なのではないのかと持っている。
ダークホースはテルモだ。昔は温度計のテルモだったが、今では注射器のテルモだ。医療現場に絶対あるテルモの製品群とオリンパスの製品群は完璧に相互補完の関係にある。特に内視鏡手術で使われる道具などで完全補完している。互いに知り尽くした世界だ。オリンパスは他の部門の自由度をとれるし、以前から関係のあったテルモとは気心が知れている。経営陣に取ってはベストな選択だが、このズブズブは市場から、オリンパスってやっぱり腐ってんな!と言われてしまって両者とも株式を下げる可能性がある。
ということで、フジが本命、テルモがダークホース。サムスンが相当健闘。
さて出走していない会社がある。キャノンだ。実はフジとキャノンはX線イメージャーで競争している。どうも現在キャノンのほうが評価が高いようだ。後キャノンは内視鏡程度だったらいつでも作れると、多分考えている。
そしてキャノンという高名なカメラブランドを持っているので、オリンパスブランドはとても買いにくい。実はテルモ以外でカメラ部門を持っていない会社は無い。テルモがダークホースという事だ。カメラだけで考えるなら、ブランド力の弱いのは、サムスンとフジだ。ここもある。
さてどうなる事やら。