EUがついにイランの核開発問題に対して、原油輸入禁止と金融での制裁措置を決めた。ただしギリシャとイタリアが経済情勢から、特にギリシャはイランからの石油輸入がほとんどなのでいきなりの禁輸処置は出来ないということで、発動は7月までのばされた。
初めに7時のラジオニュースで聞いた時はヤバイと思った。ネットでニュースを探したら、なぜか削除になっていた。時間が経って検索し直したら、結構出ている。あの削除は何だったのだろうか。
問題は、核開発問題でイランがなにかあったらホルムズ海峡を封鎖すると言っている事だ。もしもそうなったら中東の石油輸出が止まり、原油の価格が1バレル400ドルを超えるのではないのかと言われている。そうなったら日本で灯油が18?4000円近くなるだろう。
解決する糸口はほとんどない。すべてが歴史的経緯で複雑になっている。まずイラクの問題がある。イラクの多数派のシーア派を支援するためにイランが動いている。これに対して少数派のスンニーを支援するのにサウジアラビアが動いている。ここで厄介なのはこのスンニーとシーアの対立が、ムハマンド死後4代目のカリフ以降の対立だからだ。簡単に言えば宗教指導者の強烈なお家騒動があったのだ。そしてシーアはムスリムに征服されてゾロアスター教を捨てざるを得なかったペルシャ人、歴史に名高い民族だった、それが征服されて100年も立たないうちのお家騒動、そういった経緯もある。
ところでイランというと、イラン革命の原理主義で有名だ。ホメイニ師の残したファトワーの「悪魔の詩」の作者がまだ狙われているし、日本でも翻訳した学者が暗殺された。そういった所で有名だが、サウジアラビアのスンニー・ワッハーブも強烈な原理主義だ。両国とももの凄く対立しやすい状態にある。
火に油を注いでいるのが、イスラエルだ。もともとの存在が火炎放射器以上の火種だ。イギリスの第一次世界大戦中の三枚舌外交と、アメリカ・キリスト教原理主義者の妄想を受けて出来た国家だ。核は無いとなっているが、そんなの信じる人はいない。このイスラエルが、先制攻撃するのではないのかと言われている。その上イランでは核技術者の暗殺が続いている。これもイスラエルかアメリカと言われている。おまけに核濃縮施設にウイルスをばらまいて破壊させたのだが、このウイルス、ウイルスとは言えない巨大なファイルサイズ。どうやって感染させたか不明なものだ。
ここまでテロが続いたら、イランだって黙っちゃいられない。というか国内が強硬になる。引き下がれなくなった。
この制裁措置の提案者アメリカはどうなのかと言えば、最近シェールガス革命による天然ガスの価格安と、海底油田開発で現在何とかなる状態だ。自分は大丈夫。イラクの安定もある。イラクからイランの影響を排除したい思惑が見える。その上イスラエルの暴走を止めなければ行けない。
なおイロイロあってトルコが仲裁出来なくなっているらしい。
なにかオバマ大統領の核廃絶って、実はここに繋がっていたのではないのかと思わせる。中東の一国が核を持ったら、中東の全国家が核を持つ事になる。地政学上ムチャクチャ危険だ。実際イランが持ったらサウジアラビアも持つと言っているようだ。なのでアメリカはペルシャ湾に空母を入れた。EUの艦隊も入った。事実上一発触発になった。
さて日本はどうかと言えば、アメリカからの要請なので無碍に断れない。しかし理由が見つからない。強いて言えば東日本大震災の影響で、国内復興が重要になっている。なのでエネルギー政策は変えられない。なのだが、同盟国なので、この言い訳も長続きしない。中国がこの制裁措置に反対しているので、韓国はムニャムニャごまかしているようだが、日本はトモダチ作戦と普天間基地問題の借りがある状態。政府として歯切れの悪い制裁措置賛成に回っている。なんかやるんだけど、ここが混乱するかもしれないから自衛してネ、みたいな発表が多い。
しかし実際の所、この問題とても大きい。まず現在の反原発・原発推進派の問題を元に戻す可能性がある。現在東京電力が、原油と天然ガスの値上げで(スポット市場で買い付けている現在は確かに高くなる)、電気料金の値上げを言っている。17%という数字も出ている。現在でこれだけとなればホルムズ海峡で何かがあれば間違いなくこの数字を上回るだろう。そうなった時に、やっぱり原子力だというのだろう。そして実際ガソリン・灯油の燃料費の高騰で暮らして行けないという人が増えるだろう。そういった人たちからやっぱり原子力という事になるのだろう。
尚私は、原子力を徐々に減らす方が良いという立場です。なのでこれは悪夢のストーリですが、そうなるでしょう。
逆説的にそうなったからこそ、太陽電池の一般普及が進む可能性もある。現在でも東京電力の値上げ試算で、太陽電池は有利になりつつある。
他の自然エネルギーも推進される可能性がある。ただこれは設備を作るための時間差がある。なので今年ホルムズ海峡で異変が起きたら、一気に反原発の風潮からひっくり返される可能性がある。これは良い事ではない。
日本の政治状況が一変する事件になるかもしれない。
イランが核開発を断念するのが世界にはベストなのだが、もはやそれは無い。20%の濃縮ウランと遠心分離機の数だけでも黒としか言いようが無い。リビアでの事件がそうだ。核が無いと解っているから空爆出来たのだろうと、イランも北朝鮮も考えている。
イランの立場を認めたら、被爆国としての日本の立場を失う。しかしアメリカに完璧に同調したら国内は大混乱になる。日本は瀬戸際にある。
だから最悪だけは考えなければ行けない。ホルムズ海峡封鎖で中東で戦争(紛争ではない)が起きる事。そして日本にリーマンショック並の影響が出るだろうという事。そして市民には対策が無いということだ。
考えたくもないが。
初めに7時のラジオニュースで聞いた時はヤバイと思った。ネットでニュースを探したら、なぜか削除になっていた。時間が経って検索し直したら、結構出ている。あの削除は何だったのだろうか。
問題は、核開発問題でイランがなにかあったらホルムズ海峡を封鎖すると言っている事だ。もしもそうなったら中東の石油輸出が止まり、原油の価格が1バレル400ドルを超えるのではないのかと言われている。そうなったら日本で灯油が18?4000円近くなるだろう。
解決する糸口はほとんどない。すべてが歴史的経緯で複雑になっている。まずイラクの問題がある。イラクの多数派のシーア派を支援するためにイランが動いている。これに対して少数派のスンニーを支援するのにサウジアラビアが動いている。ここで厄介なのはこのスンニーとシーアの対立が、ムハマンド死後4代目のカリフ以降の対立だからだ。簡単に言えば宗教指導者の強烈なお家騒動があったのだ。そしてシーアはムスリムに征服されてゾロアスター教を捨てざるを得なかったペルシャ人、歴史に名高い民族だった、それが征服されて100年も立たないうちのお家騒動、そういった経緯もある。
ところでイランというと、イラン革命の原理主義で有名だ。ホメイニ師の残したファトワーの「悪魔の詩」の作者がまだ狙われているし、日本でも翻訳した学者が暗殺された。そういった所で有名だが、サウジアラビアのスンニー・ワッハーブも強烈な原理主義だ。両国とももの凄く対立しやすい状態にある。
火に油を注いでいるのが、イスラエルだ。もともとの存在が火炎放射器以上の火種だ。イギリスの第一次世界大戦中の三枚舌外交と、アメリカ・キリスト教原理主義者の妄想を受けて出来た国家だ。核は無いとなっているが、そんなの信じる人はいない。このイスラエルが、先制攻撃するのではないのかと言われている。その上イランでは核技術者の暗殺が続いている。これもイスラエルかアメリカと言われている。おまけに核濃縮施設にウイルスをばらまいて破壊させたのだが、このウイルス、ウイルスとは言えない巨大なファイルサイズ。どうやって感染させたか不明なものだ。
ここまでテロが続いたら、イランだって黙っちゃいられない。というか国内が強硬になる。引き下がれなくなった。
この制裁措置の提案者アメリカはどうなのかと言えば、最近シェールガス革命による天然ガスの価格安と、海底油田開発で現在何とかなる状態だ。自分は大丈夫。イラクの安定もある。イラクからイランの影響を排除したい思惑が見える。その上イスラエルの暴走を止めなければ行けない。
なおイロイロあってトルコが仲裁出来なくなっているらしい。
なにかオバマ大統領の核廃絶って、実はここに繋がっていたのではないのかと思わせる。中東の一国が核を持ったら、中東の全国家が核を持つ事になる。地政学上ムチャクチャ危険だ。実際イランが持ったらサウジアラビアも持つと言っているようだ。なのでアメリカはペルシャ湾に空母を入れた。EUの艦隊も入った。事実上一発触発になった。
さて日本はどうかと言えば、アメリカからの要請なので無碍に断れない。しかし理由が見つからない。強いて言えば東日本大震災の影響で、国内復興が重要になっている。なのでエネルギー政策は変えられない。なのだが、同盟国なので、この言い訳も長続きしない。中国がこの制裁措置に反対しているので、韓国はムニャムニャごまかしているようだが、日本はトモダチ作戦と普天間基地問題の借りがある状態。政府として歯切れの悪い制裁措置賛成に回っている。なんかやるんだけど、ここが混乱するかもしれないから自衛してネ、みたいな発表が多い。
しかし実際の所、この問題とても大きい。まず現在の反原発・原発推進派の問題を元に戻す可能性がある。現在東京電力が、原油と天然ガスの値上げで(スポット市場で買い付けている現在は確かに高くなる)、電気料金の値上げを言っている。17%という数字も出ている。現在でこれだけとなればホルムズ海峡で何かがあれば間違いなくこの数字を上回るだろう。そうなった時に、やっぱり原子力だというのだろう。そして実際ガソリン・灯油の燃料費の高騰で暮らして行けないという人が増えるだろう。そういった人たちからやっぱり原子力という事になるのだろう。
尚私は、原子力を徐々に減らす方が良いという立場です。なのでこれは悪夢のストーリですが、そうなるでしょう。
逆説的にそうなったからこそ、太陽電池の一般普及が進む可能性もある。現在でも東京電力の値上げ試算で、太陽電池は有利になりつつある。
他の自然エネルギーも推進される可能性がある。ただこれは設備を作るための時間差がある。なので今年ホルムズ海峡で異変が起きたら、一気に反原発の風潮からひっくり返される可能性がある。これは良い事ではない。
日本の政治状況が一変する事件になるかもしれない。
イランが核開発を断念するのが世界にはベストなのだが、もはやそれは無い。20%の濃縮ウランと遠心分離機の数だけでも黒としか言いようが無い。リビアでの事件がそうだ。核が無いと解っているから空爆出来たのだろうと、イランも北朝鮮も考えている。
イランの立場を認めたら、被爆国としての日本の立場を失う。しかしアメリカに完璧に同調したら国内は大混乱になる。日本は瀬戸際にある。
だから最悪だけは考えなければ行けない。ホルムズ海峡封鎖で中東で戦争(紛争ではない)が起きる事。そして日本にリーマンショック並の影響が出るだろうという事。そして市民には対策が無いということだ。
考えたくもないが。