ボルトを抜くと言っても、ウサイン・ボルトとおかっけこした訳でなく、足の中に入っているチタンの棒を固定するボルトを抜いたということ。しかも5本のうち、将来的に出っ張ってくるのが予想される2本を抜いただけです。
昨日の夜はPSYのカンナムスタイルなんか聞いてごまかしたつもりでしたが、やっぱり緊張しますね。九時半病院外来でも体調を整えるために7起床、8時に朝食、9時に病院に行きます。台風が近づいているせいか、風で朝顔の花が痛んでいます。
9時40分頃呼び出されて、着替えをして点滴します。まあ検査用の所でやるのですが、右足の手術なので左手に針を刺すのですが、看護婦さんなぜか親指の付け根の手首に差すんですね。なんでこの細い所に打つのか解りませんが、ちょっと動くと血管の中で針が動いて痛いんですよ。この状態でトイレにいって手術室に。
なお整形外科の看護婦さんが、点滴を打つ前に「さされたら、お迎えに来ます」がツボに入りました。
外来手術と言うからもっと簡単かと思っていたのですが、大間違い。前回の手術室と同じ部屋のようです。どうしても手術着が小さいので、前の方が見えてしまうのをどう隠すかとなります。整形の看護婦さんが「女性ばっかりですから」と言うのを、「男ばっかりでみんなその道の方がイヤだな」とかいって緊張を和らげようとする私。ダダ滑っております。
足の消毒をして、太ももに何かグルグル巻にまいて(止血用だったかな?)、上半身をベルトで固定、左足もベルトで固定。というか固定されないとズリ落ちそうなほどに手術台は狭い。出来るだけ患者に近づいて手術をしたいからそうなるんだそうだ。「アレ、すね毛そってきました?」と聞かれたので「そうです」と答えたら「よしよし」と言っています。
で見えないように顔の前にカーテンがかけられ、移動式のCTみたいなもので、ボルトの位置を見ます。で印をつけて準備完了。あの、女性ばかりだからといって、前を閉じていた努力は何だったのでしょうか。一応タオルで隠れていますが、どうしてあそこにポンポン何かをおくのでしょうか。多分股間は道具だらけになっています。
10時39分だったかに手術開始。局部麻酔を2本打って、やっぱり痛いです。でも効いて来て、何か切っているみたいですがよくわかりません。時々止血のために電気メスが入るのですが、これが痛い。なんというか熱風の痛さなんですね。チタンのボルトを通じて骨の髄が痛む感じです。そこで局部麻酔を追加するのですが、なぜか麻酔をしているのに局部麻酔がイタイ。なぜだろう。
この時にグリグリと骨を押されるんですよ。なんなのか、ボルトを抜いているのかと思っていたのですが、どうもボルトの頭を出しているようです。
手術用電動ドライバーがあるそうです。入れる時に使うんだそうで、抜くときは手で抜くんだそうです。なお看護婦さんが実況中継してくれています。
さてここまでがんばりました。もう終わったろうと思ったら、その簡易CT登場。バッチリボルトが残っています。
これからボルト抜きま~すと、はじまりました。痛い。本当に痛い。なんというか殴られたとか転んだとか言う痛みではない。骨がきしむ痛み(当然か)なのだ。とっても痛い鈍痛。そんな具合。で麻酔をかけている反対側の、切っていない方も痛い。骨全体が悲鳴を上げている感じです。
で抜き初めが相当痛いのだが、ぬけて行く途中の感触がある。ネジがくるくる回ってその先端が動いてゆく感じ。抜き終わるとフっと楽になるのがいいですね。で私、これは長い方を最初に抜いたんだと思いましたよ。ホント。「先生がドSで、私がドMだったら良かったのに」とあらぬ事をつぶやく私。
次こそが難関の長い方だったのです。もう冷や汗ドバドバ、もう止めて、もう悪い事しませんと言いそうになる。
イヤ~きつかった。いくら日帰りできるからって、局部麻酔は辛いですよ。全身麻酔にしておけば良かったと後悔しました。
そして今度は縫うのですが、こんどは局部麻酔が切れかかっているようで、針が刺さって糸が通ってゆく感覚が解ります。そこをギュっと絞ってゆくとこれがまた痛い。今度はフツーの痛いです。
さて手術が終わって、左足のタオルを外すと看護婦さんが、汗にビックリしています。実際上半身はグッショリです。汗が流れるのが解るほどでしたから。ようやくバンドとかを外して、ボルトを見せてもらうと4ミリの6角穴の木ねじ型のボルトです。どうも皿型のボルトの上に樹脂かなにかで6角穴を作っているようです。X線では皿ねじに見えていたのはそのせいのようです。そして長さは、50ミリと35ミリ。長いです。チタンの棒とねじの方とで金属の固さが違うようで、棒を通った先の方はねじ山が潰れています。スムーズに抜けないのはこのせいのようです。
お土産にボルトを貰って帰りたかったのですが、なぜかダメなようです。感染症は解りますが、転売してはいけないと意味不明の事を言ってます。パテントかなにかなのでしょうか。手術終了は11時25分でした。
さて手術台から立ち上がれましたが、やっぱりちょっと麻酔が効いているので膝が不安定です。車いすに乗ってレントゲンを取って外来に戻ります。看護婦さんが思ったよりかかったと言っています。この手の手術にしては長かったようです。先生からもう一回診察を受けて、写真を見ますとネジ山がクッキリと残っています。明日が以来検査をして来週抜糸です。
着替えたのが外来の普段使わない小部屋なのですが、そこで着替えているとフト道具箱が目に入ります。すっごく立派なハンマーがあります。叩く面の仕上げなんてかなりいいです。でもやっぱりハンマー。そうして他の道具を見ていると、大工道具ですね。超高級品の。見なきゃ良かったと反省しております。
会計まで全部終了したのが13時でした。朝方は曇っていたのですが、晴れて来ました。風はまだ少し強いです。
また車いすか?いえ、もう歩いています。