15日にアメリカの財務省が発表した、今年10月の各国の米国債保有額が日本が一位になった。これはこの5ヶ月間で中国が米国債を売っていたため。トランプ大統領が中国のことを為替操作国というのは主にここが原因だが、そこで11月から12月にどう動くのかがまだわからない。
中国はSDRというIMFの特別引出権の通過バスケットにはいった。これを国際的に元が認められたと中国は認識しているが、中国の保護貿易的な姿勢による元の流通量が増大しないことから、SDRに不適格と言われる状況が続いている。これをなんとかしたいのだが、元の下落基調が続いている状態では流通量も問題だが安定しない発展途上国の通貨と言われかねない。なので元防衛のために米国債を売って元高にしている。
そしてなのだが、元安基調で中国国内の資本流出が起こった。このため海外送金の規制や海外旅行の持ち出し金の規制とかまで始めているが、国に政策あれば民に対策ありの国なので、どうしようもない。なお爆買いが止まったのは、この規制のせい。ECコマースの影響もあるが。
さらにだが、各国への支援援助の問題もある。特に最近やっている港湾事業や鉄道などのインフラ事業は、ドル建てでやっている案件が多いと思うが、もしも元安になったら目も当てられない状態になる。一路一帯構想以降、この大規模インフラ支援が大きくなっている。その上約束や契約だから守らなければいけない。特に国連常任理事国である以上名誉というのは大きい。
中国の世界第2位のGNPと発展途上国的な部分と、その矛盾が一気に噴き出しているのが、この為替だ。
その上アメリカFRBの金利値上げが確実に予測されている。完璧に元安基調なのだ。アメリカ国債を売っても売っても市場が吸収し尽くすだろう。一時的には国債相場を大混乱に落とすことはできるが、早期に緩和されるだろう。アメリカにとっても過度なドル高にならなくて済むというメリットがある。今中国は、アメリカに国債大放出爆弾を投げつけることはできない。
ただ、中国の外貨残高が下がりつつあるというのはいいことではない。最近の中国の大盤振る舞いがどう跳ね返るかも問題だ。そもそも中国の輸出は大部分ドルベースだろう。輸入もドルだろう。中国の貿易収支でのテクニカルデフォルトはないと思うが、それに近い状態になるのはとてもまずい。そしてその時世界が中国を助けるだろうが、彼らがそれに恩義を感じるかどうかはわからない。
為替操作国というトランプ氏の認識は正しい。だが、高い方の誘導はアメリカにとっていいことなのではないのか?
中国がベネズエラを見限ったという。ちょっと記事が見当たらないので記憶で書くが、中国はベネズエラと資源先物的な契約をしていた。前金で融資してもらい長期的に石油を輸出する計画だ。だが原油安で元本支払いすらできない状態になった。利子分を免除や追加融資の交渉をしていたようだがこれが破綻した。
ベネズエラは新紙幣と新硬貨に移行したはずだが、まだその紙幣も硬貨も出回っていないという。もしかすると、印刷代が払えなくなっている可能性もある。今ある最高紙幣は100ホリバルだが、11月だけで貨幣価値が55%低下した。今や重さで決済する貨幣になってしまったが、それすらも法定通貨でない状態であれば、完璧に経済は停止する。ホリバルはIMFの予想をはるかに上回る下落をするのではないだろうか。
と、少し面白い話があった。キューバがチェコとの債務をラム酒で払うという話だ。旧ソ連圏からキューバは援助を受けていたわけだが、当時は暑時払いの催促なしだったのが、積もり積もってどうしようということになっての話だ。ソ連時代によくあった決済方法という。ただ今ではソ連のルーブルと今の貨幣価値が違いすぎて決済が簡単ではない。
ただこの案が通った場合、キューバのラムの品質が低下する可能性がある。その点が大切かな。
フィリピンのドゥテルテ大統領は麻薬撲滅のために、自ら人3人殺したと言った。別な記事で、極めて穏当に書き下すが「自ら現場に赴かないトップはありえない。それは誰にでもできる話だ。」。それは誰にでもできる話だというくだりだけはそのままにした。
狂信者としか言いようがない。アメリカに軍事基地協定の破棄を言い出した。国内向けだと思いたい。ただ、中国は南シナ海の埋立地にミサイル防衛システムを配備したという。もしもそれが本当なら、そして発言時に知っていたはずなので、その上での発言としたら、ドゥテルテは狂人としか言いようがない。
だが狂信せざるをえないというのが状況なのか。それは今に始まった話ではない可能性がある。
法治国家に対して古代国家の復活が今あることだ。
今一番不安なのは日本の政治家だと思いたい。
どうせ世界は滅びるのだろう、そう人が思いつつある。全世界的にね。