高松の池にアジサシの仲間がいた。以前はユリカモメだろうと思っていたのだが、どうも違うようだ。
今日お昼のニュースはすごかった。まずは軽いところでドナルド・トランプ氏が正式にアメリカ次期大統領に決まった。選挙人選挙が19日にあったからだ。共和党からは一人反逆者が出たようだ。民主党もほんの少し、ヒラリー以外を当てこすりのように書いた選挙人がいたようだ。
ただこれすら軽いニュースになるほどだ。
ロシア駐トルコ大使が暗殺された。最近続くトルコのテロ事件の中でも最も問題ある事件だろう。非番の警官の犯行というのもあるが、アレッポでロシアとトルコが共同歩調をとっている中での直接の抗議になる。さすがにロシアとトルコは外相同士の電話会談でテロ防止強化を打ち出した。
ロシアにはチェチェン問題を抱えている。過去にはアフガニスタンの問題がある。だがここのイスラムはスンニだ。スンニを迫害したロシアがシーアのシリアを応援してアレッポのスンニを迫害している構造がある。トルコは最近世俗主義から宗教右派に傾いているが、ここでもメインはスンニだ。スンニがシーアを支援して、スンニを迫害している構造は一体どうなのかということだ。
さらにトルコはクルド人対策のために、敵の敵は味方的にシリアを支援しているのだが、そういった矛盾が全てこの事件に出ていないのか?
昨日は2009年のリーマンショックが潮目だったのかと書いたが、次の日にこの騒ぎだ。
そしてベルリンのクリスマス・マルクトにトラックが突っ込んだ。ポーランドで行方不明になっていたトラックだった。死亡した運転手はポーランド人で脱走して逮捕された男はアフガニスタンかパキスタン出身の難民だったようだ。
同様の事件ではフランスのニースでフランス革命を祝うパリ祭の打ち上げ花火の終了した直後に帰宅者の集団に突っ込んだ事件だった。フランス革命の記念日で、「自由・平等・友愛」の精神を踏みにじる行為である。だが主犯はフランスに居留権を持つチュニジア人で、共犯の5人は、二人がフランス・チュニジア二重国籍者で一人はチュニジア人、一人はアルバニア人、一人はフランス・アルバニア二重国籍者だ。チュニジアもアルバニアも基本的にイスラムスンニだったと思った。チュニジアが神秘主義の傾向が強かったと思う。ただチュニジアはフランスの植民地だった歴史があり、独立した経緯があるので、単純なイスラム過激派のスタンドアローンの犯行ではなく、フランスの移民同化政策に全く馴染めなかった、つまりどんな人種でもフランスの規範を守るならフランス人だという、そこがダメだった人たちが行なった犯行という側面もある。旧植民地と旧宗主国の問題でもあるのだ。
ISが声明を出しており、本人もISに近かったと言われているが、実際のところはイスラム過激派と言い切れないところがある。このころにはISの声明は指示を出したものではなく、公認の形で行うのが増えていた。
だが、今回のベルリンは同じことを狙ったと思うが、全く違う点がある。国家の記念祭という人の行事に当てた事件と、生誕祭関連行事に当てた事件とでは全く意味が違うのだ。神への行事が汚されたのだ。
Christmasというイベントに向けた行事が感謝祭から始まり、1月6日まで続く生誕祭を、神を信じる人たちの重要な日の1週間前に行ったのだ。
ポーランド人の運転手は脅迫されて進んだとも言われている。現時点ではこれはなんとも言えないことだが、さすがにポーランドからベルリンまでなんとか脱出できた可能性があり、その上で突っ込めと指示されても拒否はできたはずだ。そうできなかった何かは知らないが、ポーランドがドイツに攻撃したとも言えるところはあるが、そのジョークはともかくとして、逮捕されたアフガニスタンかパキスタンか、まあその国境近くの過激派が難民で彼にそそのかしたとしても、これはできそうにもないテロなのだ。
宗教対立を狙ったテロなのだ。今までのどれとも違うのだ。
そして欧州での政治の季節だ。フランス大統領戦もそうだが、今後極右がかなり台頭するのは間違いがない。
まだ事実に近いところまで報道はされていない。だからこそ、とてつもない不安にかられるのだ。1日で3件の重要事件が起きたのだ。一つはアメリカの変質、二つ目はロシアとトルコの際どい関係が起こした事件、敵の敵は味方だとやっているうちに事態を複雑化させてしまったということ。そしてベルリンのクリストマルクトの宗教対立と思わせる事件。独裁国家同士のなんとかなるさ的なトルコの事象は、どうしようもなさを表しているし、ベルリンは、果たしてイスラム過激派と本当に言い切れるのかどうかなのだ。
ISがやったとすれば、彼らの中にもっとすごい奴が現れたと考えるべきだろう。
今日の天気はぼんやりしていた。このまま世界の状況はこのままぼんやりしてほしいものだが、多分そうならない。
世界は明確にカオスになった。今後明快な言説をいう奴がいたら、それは詐欺師だ。