隣の大学で選挙広報と、「池上彰のマンガでわかる投票ガイドブック」という結構力の入った小冊子、公益財団法人明るい選挙推進協会が、一般財団法人日本宝くじ協会が助成金を出している。
大学生に向けて選挙に参加してくれということで、選挙公報など以外オマケについたのが南部せんべい。ティッシュじゃ当たり前、今じゃ食べ物とかノベRYティグッズ付きでないと受け取ってもらえないわけです。ですがここでは全く別。
食品用インクジェットプリンターで印刷しているのですね。こちらに驚いていただいた方が。
まあ多分この南部煎餅の会社が持っていた装置だと思うのですが、煎餅の原価は下げてもこの機械はまだまだ高い、とは言っても彼らの感覚からすれば製造装置よりは安いのだが、こうして選挙等のノベルティが出てくるとビックリする。納品価格がどう考えても一枚50円以上100円以下だろう。
何しろ美味しくなかった。インクジェットではなく、煎餅が。納品価格が製造原価につながったというのがよくわかる。
その上で18歳からの選挙権になったわけだから、啓蒙活動は必要だ。ありとあらゆる手段を取るのはいいだろう。だが明るい選挙と日本宝くじ協会の組み合わせは、絶妙すぎる。中立的な組織の組み合わせだが、公営ギャンブルの胴元と選挙は実際イメージが悪い。行政が示唆したとしか思えない組み合わせなのだ。
特に今回の選挙では、若者の自民党の支持率が高い。その意味では行政側の人たちが、若者層を啓蒙するといいつつ自分たちの支持層を増やそうとしているのではないのかという疑いが出る。
実際はそうではないのだろうが、忖度した結果であったとしても、意味がある行為ではない。
腑に落ちたのは日経ビジネスオンラインの小田島さんのコラムだ。簡単に言えば政治について喋るなという社会と、政治にコミットせよという選挙は矛盾しているというのだ。
更に言えば、人に迷惑をかけるなと教わってきた日本人にとっては、政治というのは最も縁遠い個人主義の世界なのだ。その上で犯罪者が「世間にご迷惑をかけました」というのと同一にある。
多分小田島さんのコラムも正しいし、私の観察も正しい。政治にコミットするのは、世間のタブーなのだ。若者が選挙にゆかないのは社会認知の問題なのだ。彼らにとっては、選挙はタブーなのだ。もうそろそろいいかなと思った時には年寄りになっているのだ。
SNSの世界でも「FF以外から」という接頭語がつくようになった。日本文化はものすごく強固なのだよ。だからみんな直視しないだけだんだよ。
まあ直視しても不利益しかないけどね。