カルテ番号 あ・28 7度目(13)
風間陽水は考える。
生命というものを。
生命はこの世では生命体という肉体(物質)に宿る。
生命は永遠かもしれないが、この世では有限だ。
生物の中では長寿の人間でも、せいぜい100年。
長寿族でも700~1000年程度だ。
人間に限れば、生きている間を人生という。
社会的には、人生はただ生きるにあらず、かもしれない。
だが、それは人間種という仲間内だけにしか通じない。
生命全体から考えれば、そんなものは世迷言だ。
名を成す、功を成す、社会に貢献する。
そんなものは、生命体としては世迷言だ。
精一杯、生きる。
それが共通した役割というものだ。
ならば・・・
何故、多くの悲しみ、寂しさ、淋しさが必要なのだろう。
不必要なら、最初から感じる事がないように創られている。
そんな概念は無い、はず。
だが、事実は、生きる、とは、悲しみや寂しさがつきまとう。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)