カルテ番号 る・1(28)
類家真司が帰ってから院長は思った。
首都圏大震災が起こるまでに、多くの人が不安を感じるだろう。
その不安が何処から来るのか分からないまま日々を過ごすだろう。
病院やカウンセラーに通っても、それらは取れない。
薬で多少薄まっても、不安は無くならない。
生物の種としての不安だ。
根が深すぎるからだ。
中には、類家氏のように、ある程度の見当がつく人もいるだろう。
かなりハッキリとした災害を思い浮かべる人もいるだろう。
本来の生物の能力ならば、危険を察知できるはず。
だが、人間の多くは感性に蓋をしている。
それが生命に関わる事であっても、見ないふりをする。
ただ、不安は残る。
生命力が低下している上での不安は、病に進む。
信じたくないモノは信じない。
都合の悪い事は、理屈をつけて否定する。
それでも種としての生命は、何割か別行動をする。
全員ではない。
多くの生命は、災害から逃げないのだ。
それが・・・辛い。
今すぐにでも、より安全な土地に避難して欲しい、と切に願った。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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