「風間陽水の依頼簿（カルテ）・574」

カルテ番号　あ・28　７度目（21）

生命は単独で存在できない。
多種多様な生命体が絡み合って存在する。
支え合って存在する。
関わり合って存在する。
それも、深浅がある。
広狭がある。

複雑に関わる。
例えば人。
身体には微生物がいるから生きていける。
その微生物も多種多様だ。
微生物も単独では存在できない。

肉体レベルだけではない。
意識の浅い部分。
深い部分。
更に底の部分。
精神とか魂とかいわれるレベルにも関わる。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・573」

カルテ番号　あ・28　７度目（20）

種、あるいは、他の生物、他の種との関係。
個の生命の底にある共通する部分。
種の生命、ガイアとしての生命、存在としての生命。
そこに、必要となるのが、悲や寂を認識した慈悲であり愛。
存在としての全ての生命が、お互いに存在し続ける為に・・・

生きている過程で、悲を認識する。
寂を認識する。
罪という表現は誤解されやすいが・・・
深い意味で・・・罪を認識する。
それらは、優しさを引き起こす、湧き起こすスイッチでもある。

生命は・・・優しさで活かされる。
生命は・・・優しさで生き延びる。
生命は・・・優しさで支え合う。
ガイアは、宇宙は、この世は・・・
優しさが無ければ、存在できない仕組みだ。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・572」

カルテ番号　あ・28　７度目（19）

閃きがあった。
瞑想とは、自分の底の底にある扉にアクセスする方法だ。
その扉は膨大な知恵の塊につながっている。
いわば、マザーデータへインターネットでアクセスするようなものだ。
そして、質問を投げかけておくと、いつか答えが返ってくる。
それが、閃きというヤツだ。

もちろん質問者の容量がある。
質問者の理解可能な範囲がある。
だから、同じ質問でも表現はそれぞれだ。
それが、宗祖の違いとなり、経典の違いとなる。
たまたまアクセスできた人が勘違いしやすい。
私は、神と、対話した・・・
私は、神に、選ばれた・・・
・・・はっきり言って、バカだ・・・

風間陽水にも、今の風間陽水が理解できる程度の答えがあった。
生命は、悲と寂を内蔵している。
それが、優しさの基となる。
慈悲とは、そういう意味だ。
愛とは、そういう意味だ。
生物の（内臓された）生き方を示す言葉だ。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・571」

カルテ番号　あ・28　７度目（18）

風間陽水は生命を瞑想する。
生命には、個と種がある。
もっとマクロに観れば、地球上の生物全体。
更にマクロに観れば、地球そのもの。
そこには非生物も含めて、生命とする観方がある。
ガイア理論の土台だ。

ガイア理論を更にマクロに観る。
すると、この世全体を生命とする観方になる。
この世とは物質界。
この物質界は、物質と非物質を含む世界。
この世の全てを生命とする観方。
そこには、死という概念さえ生命とする。

全てを神という。
神とは
生命
となる。

生命即神。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・570」

カルテ番号　あ・28　７度目（17）

更に深い、深い意識がある。
感情など追いつけない深さだ。
そこに、悲があり寂がある。
悦（法悦）があり喜（歓喜）がある。
ワビがあり、そしてサビがある。

この世の存在に付随するモノ。
生命を超えた、とはいわない。
この世は生命の為にあるからだ。
ならば・・・
悲も寂もワビもサビも生命の為にあるのだろう。

慈悲が仏法の神髄となる。
仏法は生命の神髄でもある。
死んでからのものではない。
とても深い、深い言葉と意味なのだ。
何故、悲であり、何故、寂なのか。
その答えが、生命にある。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・569」

カルテ番号　あ・28　７度目（16）

苦があるから楽がある、というのも間違いだ。
もちろん、同じ量があるわけではない。
別な世界だから、圧倒的に苦がある。
あるいは、圧倒的に楽がある。
そして、両方ともに生命に影響している。

苦も楽も喜びも深浅がある。
多くは感情という極めて不安定な上層意識で感じてしまう。
浅いから、理解度によって苦も楽もアイマイだ。
時には同じ事柄でも逆転してしまう。
感情からのモノは、とても当てにはならない。

ところが、もっと深い意識で感じるモノもある。
それは肉体からの苦であり、肉体からの楽である。
これらは生命力の方向を示してくれている。
すなわち、苦は方向の修正を示唆する。
すなわち、楽は方向の正しさを示唆する。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・568」

カルテ番号　あ・28　７度目（15）

ただし、感情の悲しみと深い悲しみは違う。
感情の淋しさや寂しさと深い寂しさは違う。
また、悲しさの対局に嬉しさがあるわけでもない。
風間陽水も若い頃はこれらの区別がつかなかった。
多くの死をみつめて、多くの悲しみをみつめて、違いが判った。

感情よりも深いところ。
意識の底に共通する寂（じゃく）。
この世に共通するワビとサビ。
そして、ブッダが言った慈悲の悲。
悲しみを慈しむとは、浅い感情の話ではない。

常識という勘違いが横行している。
苦しみがあるから喜びがある・・・
それは間違いだ。
苦しみと喜びは天秤の両極ではない。
同じ線上にない。
全く別な世界のものだ。
そして、悲、寂、詫びというのも、別な世界のものだ。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・567」

カルテ番号　あ・28　７度目（14）

もちろん、喜び、歓び、悦びもある。
嬉しさ、楽しさ、気持ち良さもある。
これらは生命の仕組みとして解る。
生命は生命を維持し、最後まで生きる事を目的としている。
だから生命を活性化する仕組みをもっている。

活性化は生命の不都合を修復する。
例えば病は活性化が回復を促進する。
活性化で細胞が若返る。
本当の最後まで生きる力となる。
最後まで生きる仕組みとして、喜びや嬉しさがある。
人は、苦難を受ける為に生きているわけではない。
それは生命体として間違いだ。
嬉しさや楽しさや気持ち良さを味わう為に生きている。

ならば・・・
長生きするほど悲しみが増える。
淋しさに出会う。
死という多くの別れが増えていく。
それらは生命力を活性化しない。
生命は生命を長らえる方向に働くのに・・・
生命の方向と矛盾する。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・566」

カルテ番号　あ・28　７度目（13）

風間陽水は考える。
生命というものを。
生命はこの世では生命体という肉体（物質）に宿る。
生命は永遠かもしれないが、この世では有限だ。
生物の中では長寿の人間でも、せいぜい１００年。
長寿族でも７００～１０００年程度だ。

人間に限れば、生きている間を人生という。
社会的には、人生はただ生きるにあらず、かもしれない。
だが、それは人間種という仲間内だけにしか通じない。
生命全体から考えれば、そんなものは世迷言だ。
名を成す、功を成す、社会に貢献する。
そんなものは、生命体としては世迷言だ。
精一杯、生きる。
それが共通した役割というものだ。

ならば・・・
何故、多くの悲しみ、寂しさ、淋しさが必要なのだろう。
不必要なら、最初から感じる事がないように創られている。
そんな概念は無い、はず。
だが、事実は、生きる、とは、悲しみや寂しさがつきまとう。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

「風間陽水の依頼簿（カルテ）・565」

カルテ番号　あ・28　７度目（12）

長寿だからといって、他の人間の危機を助ける役目はない。
それは愛田恵子も言っていた通りだと思える。
むしろ、あまり係わらず、目立たず、社会の為、から外れる。
社会の為ではなく、地球の為、地球の一部として生き延びる。
どんな時代になろうとも、生き延びる。
どんな天変地異が起ころうとも、生き延びる。

最初は解らなかった。
長寿は親しい人の最後を看取る。
しかも、通常の7～１０倍の長寿だ。
１代ではないのだ。
7～10代の親しい人々との別れを味わう。
一人生き残る寂しさ、悲しさを背負って生きる。

何の為に・・・
何の為に・・・
そして、次第に解るようになる。
必要だから。
多くの悲しみ、多くの淋しさ、寂しさと向き合う事が必要だから。
その先に、地球という生命の塊があるから。

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