「人間は一番怖い生き物だと思う」
日本に住むシリア難民の利発な高校生ラーマさんの言葉です(写真はNHK・Eテレから)。
「人間って一番怖い生き物なんだね。どんどん欲張って欲張って人(を)殺したりとかして何がいいのかなと思うのね」
ラーマさんの言葉、まったく私も日頃感じていることです。まだ若いのにラーマさん、よくぞ深く物事を観察されています。しっかりした立派な考えをしていますね。それだけ、ここ異国の日本で生活して、ずいぶんと苦労されたのでしょうね。
米英仏が今月14日、シリアを攻撃しました。化学兵器を使用した蛮行と残虐行為に対して正義の力を結集しての3カ国による攻撃で作戦は成功としています。その攻撃による民間人被害は確認されていないとも。
これに対していつもの通り、なんのためらいも無いかのように日本は安倍首相が攻撃作戦に支持と理解を表明した。私にはなんだか分からないことばかりです。余りにも報復的ともいえる武力攻撃が早すぎませんか。事態の真相を十分調査し見極める作業が、かなり省略されているように感じます。イラク戦争の時の「大量破壊兵器」を口実とした攻撃理由と似たものを想起してしまいます。
アルゼンチンなど平和解決を主張
アルゼンチンのマクリ大統領やブラジル、ペルーの各首脳は軍事行動の応酬に懸念して対話を模索するよう国際社会に求める、と述べています。ああ、こうした見方をする国々も存在するのだと救われた気持ちになりました。これこそが冷静な人道的な対応でしょう。日本は平和憲法を持つ非暴力志向の国家であるはずです。一呼吸置いて、マリク大統領らのように平和的解決の道を率先して探るべきではないでしょうか。
人間が永遠に「怖い生き物」ではなくなるよう、ここらで私たちの日本も勇気ある自立した平和外交をめざす決意を示さなくてはと思います。
シリア難民マラクちゃん / 日本ユニセフ協会