『9条誕生』(塩田純 著 岩波書店)を半分以上読んでの感想です。
GHQ草案をもとに成立した日本国憲法。しかし、その草案の条文に「平和」の二文字はなかった。その理念はどこから来たのか?
著者はNHKスペシャルのプロデューサー。新たな新資料や証言から9条平和主義の出発点を探る。
文字が小さく内容が濃い。なかなか読み進まない(笑) 良書です!
石原莞爾の平和論が面白い。
「戦に負けた以上はキッパリと潔く軍をして有終の美をなさしめて軍備を撤廃した上、今度は世界の輿論(よろん)に吾(われ)こそ平和の先進国である位の誇りを以って対したい。世界はこの島国の剛健優雅な民族精神をもって世界の平和と進運に寄与することにどんなに驚くであろう」 (注:「進運=しんうん」とは、進歩・向上の方向にある成り行きのこと)
豪快なさっぱりした見識です。関東軍参謀だった石原莞爾。東条英機陸相と対立して中将で予備役に追いやられる。ポポロ通信舎では2013年2月23日にも取り上げたことがあります。
これからも9条、石原翁の言われるように平和先進国として自信をもって世界に示し続けていきたいものです。
写真=リアカーに乗りしばしば東京裁判法廷に出向く石原莞爾。膀胱癌を患っていたがリアカーでの帰路途上、事故の衝撃で世を去る。行年60歳。
石原莞爾(いしはらかんじ)(1889-1949)山形県鶴岡生れ。陸士陸大卒。満州事変の首謀者。日中戦争勃発時の参謀本部作戦部長。世界最終戦論を唱え東亜連盟を指導。日蓮信者。
9条誕生――平和国家はこうして生まれた | |
塩田 純 著(NHKプロデューサー) | |
岩波書店 |
亡母も好んでいた明治大学の学生歌『都に匂う花の雲』。3番歌詞に「理想に生きる若人が、交わす今宵のうま酒に~♪ 」とあります。理想に生きる日本が、交わす・・の気持ちで9条を高く掲げたいですね
明治大学 学生歌「都に匂う花の雲」古賀政男作曲 [全4番]