国立大学が文科省に提出した計画書では、その8割が人文社会系の学部、大学院を縮小再編するという。私立ならともかく国立では安易に人文系をリストラするなと言いたい。
「日本社会では、目に見える成果が期待できる『実学』が重視される傾向がある。産業界は即戦力となる人材育成を大学に求めている・・よく、哲学は役に立たないと言われる」 (筑波大学新聞2018/7/17コラム筑波おろし欄からの一節)
哲学は「実学」である
哲学主専攻だという同コラム子は「だが大学で1年学び、哲学は社会を変え、人生を豊かにするものだと気がついた・・すぐに物質的な豊かさを与えてくれるものではない。だが哲学は人生の苦悩や社会問題に答えてくれる。・・哲学は『実学』である」と。
同感です。
しかし「哲学する学生」は使用者側からは使いにくいと映るのだろう。これは今も昔も変わらない。
「哲学徒」は昔から敬遠されて
高度成長期の頃の話ですが就職面接のときに「もし哲学は好きか?と問われたらNOと言え」と先輩から助言を受けた。今のような面接Q&Aマニュアルや対策本などは身近にはありませんでしたが経験者からの伝承だった。
とりわけ「哲学」についてだけ聞かれるということの先方の狙いはお判りいただけると思う。哲学ばかりではありませんが、学問の府としては人文社会系の科目、分野の軽視はあってはならないことと思う。
筑波大学に限らず学生の保守化=無抵抗化は残念ながら否定できない。就職協定も破棄され、有利子奨学金でローンを背負う学生も少ないない。現役時代はブラック・バイトに悲鳴を上げ、卒業後は不安定な雇用形態の中でブラック企業で苦しめられる者も多い。
学生の個人主義が深まり、無抵抗化=保守化しているのも無理はないと思う。しかし厳しい状況に負けないで、学生には社会の不正義には立ち向かう気概をもちつづけていただきたい。
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
Flash Mob - Don't Stop Believin' @ The Ohio State University (米)オハイオ州立大学
経営優先、、