手あぶり火鉢です。陶印があり「對歐斎」「橋本三治郎」とあります。丸い形、よく磨きあげて、べんがらを混ぜた漆で仕上げた感じのつや。蓋付になっていて、口をあけたような曲線が楽しいです。胴には桜の花やつぼみがところどころ刻まれていて(印押し?)またラーメン模様のような帯も刻まれています。結構手の込んだ造りで、今戸焼でも上手なものなんでしょうか?「橋本三治郎」については、先の「真塗りの紅鉢型土風炉」のところでも触れましたが、代々世襲した名前のようですが、どれが何代目の作なのか知りたいものです。
「桜=隅田川」という趣向なのかわかりませんが、桜の花の陰刻のある今戸焼の他の器物についても記事でとりあげていますのでお時間ありましたらご覧ください。
隅田川の灰器(白井善次郎作)→