今日はよい天気で物干しとなりの十五夜さんの部屋でも室温20度あります。
みてください。石膏鉢に寝かせておいた水簸(すいひ)して沈殿済みの泥しょうがいい塩梅に水分を吸収されて「ぱっかり」と亀裂が入っています。
亀裂の入り方向に違いがありますが真ん中に入っているのはほぼ中心も「べとべと」ではなさそうな兆候です。
早速鉢の口縁に板を当てて逆さにしてドンドン叩くと「お子様ランチ」のような形に抜けます。鉢のほうにこびりついた粘土も残さず集め、厚口のポリ袋に入れて仕事場へ運びます。空になった鉢に再び泥しょうを流しこんで。。。
外で外気に晒したほうが乾きがいいんですが、雨でも降られると困るので、焼成窯の脇のスペースに移動して寝かせます。
石膏に吸収された水分を更に「吸水ダスター」という毛氈みたいな素材を下に敷いて吸わせます。1週間くらいは毎日「びしょびしょになったダスター」を乾いたのと交換し(おしめを取り替えるような、、。)びしょびしょの水分も捨てるのが勿体ないので、植木の上で搾ってから干します。これで2~3週間するとダスターの湿り方も遅くなり、鉢自体も軽くなってくるのです。
ここまでの作業は買ってきた土を使えば必要ないんですけどね。でもやっぱり「地元の土を材料に地元の名物だった人形を作る」ってことが「郷土玩具」「郷土人形」発祥のストーリーにつながる訳で、焼いて色を塗ってしまえば関係ないということも考えられますが、、、。少なくとも昔の今戸人形に近づくための手間とかおまじないだと信じてやっている工程です。人形の出来が悪かったとしても「土だけは正真正銘の東京の土でございます。」と答えることができます。