東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

みみずく ②

2020-08-07 23:03:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日までキハダ(漢方薬の黃柏)の煮出し汁で下塗りした上に、蘇芳(すおう)の煮出し汁を重ねて塗ります。
 東北地方の三春張り子や堤系統の人形、花巻人形、相良人形などの江戸時代のものに蘇芳やキハダの煮出し汁が使われているのが有名ですが、今戸の人形にも使われていた時期があったのです。
 歌舞伎の舞台で血糊としても蘇芳が使われていたようですし、染織の色剤であったことは言うまでもありません。
 画像の蘇芳の発色まで同じところを6回重ねて塗りました。しんどいですが、昔の色に近づくための段取りです。

みみずく

2020-08-07 14:15:35 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 これは、今年のコロナを意識して新しく作ったものではなくて昨年のゴールデンウィークに駒場のべにや民藝店さんでやらせていただいた作品展の際新しく発表した人形です。不思議なことに、今年こういうことになって、世間では病除けのアマビエグッズがいろいろ出ているようですが、自分の場合、今戸焼の人形の古いものから病除けの人形を再現する範囲の中から謂れのあるものを作ることが大切と思ってみみずくを塗っているところです。都内の近世遺跡から出土した色のとれた人形をお手本としてモデリングし、みみずくの赤は顔料の赤系統ではなくて、植物の煮出し汁で色を発色させます。全体が黄色いのは下塗りとしてキハダ(漢方薬の黃柏)を煮出した汁を重ね塗りしているからです。
 このあと蘇芳(すおう)の煮出し汁をかさねて赤みをつけていきます。

丸〆猫(まるしめのねこ)ほか今戸の招き猫

2020-08-07 03:21:57 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 とりあえず来年の干支ものからの二種は催事向けにはできたのでブースに並べるべき人形を仕上げていきますが、初日までにどれだけ間に合わせることができるか…。
 丸〆猫(まるしめのねこ)の昭和戦前風型の朱色。ふと思い出したのですが、自分は昔に亡くなった人間だと思われているのだろうか?と思ったことが何度もありました。と、いうのはたまたま観たヤフオクなどで中古として拙作の丸〆猫が出品されていて、何でこんなに競るのだろう、今でもここで作っているのに…。といった感じでした。それと、以前A草のNみせのS6というお店へ頼まれて出していた時代がありますが、知らないうちにぱくられてほかの職人に作らせたものが並ぶようになったので辞めたのですが、ご注進してくれる人が教えてくださったことには、拙作の丸〆猫が、その店で¥7000弱もついていたというのでびっくりしました。普通なら拙作の丸〆猫ふたつ買ってお釣りがくる値段です。拙作のからぱくって作られている丸〆猫のその店の値段も、うちの丸〆猫を買ってお釣りがくるのですごいなと思いました。

 二枚目の画像は丸〆猫嘉永安政風と本丸〆猫です。よだれかけの縁にキハダ(黃柏)を煮出した汁で塗っているので時間がかかります。

 三枚目の画像は昭和戦前風の丸〆猫の色違いと尾張屋さん風の招き猫貯金玉、左招き猫の明治時代風、丸〆小判猫などです。