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最近何度か作っているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。都鳥のがらがらです。
「吾妻鏡」だったか、在原の業平が隅田川で「名にしおはば いざこととはん 都鳥 我思ふ人のありやなしやと」という歌によって隅田川といえば都鳥、というイメージが昔からありますね。ちなみに東京都の都鳥はユリカモメ=都鳥です。
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うちに施釉の浮き人形があり、そのひとつが都鳥の形で、それをお手本に原型を作りました。
釉薬をかけて楽焼仕上げにもしたいのですが、まだ実験中なので、泥絵具での彩色をしています。
上のは桜とひょうたん。古い今戸焼の茶道具関係の器物には桜の花びらの陰刻を施して「隅田川」という見立てになっているのがあります。また、最後の生粋の今戸人形の作者だった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)のお作りになった「おかめの火入れ」に桜とひょうたんを描いたものがあり、そのイメージで描いてみました。胸のところには「寿み多川」。
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もうひとつは背中に○が三つ。これ、小倉餡、味噌餡、白餡のつもりの見立てです。
上にのふたつに加え、今回はじめて描いてみたもの。↓
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下手っぴなので手前味噌みたいではずいですが、背中には業平格子。翼のつけ根に葦の枝。
業平が来た頃の隅田川は両岸葦が茂った辺鄙なところだった、というイメージ。「隅田川両岸一覧」だったか「江戸名所図会」だったかに業平が船で川を渡っている場面が描かれていて、川岸は葦だらけでした。余計な話、足立区の足立って、もともと「葦立」だったとか…。
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そんなわけで、こんなんできましたけど…。
追伸 23日18:00ころ会場に並べました。