実家を訪ねて母と話していると、今回の台風の話題になった。
超大型というから、家の周りを片付けて大変だったのに、大したことなかったという。
ま、それはみんなそうだと思うよ。
今回のコースが92年のりんご台風と一緒・・というので、すごく警戒したらしい。
それは、私も同じでした。
あの台風は、本当にすごかった。
2階の屋根が吹き飛んだ家屋がどれだけあったか・・?
しばらくは、青いビニールシートの家だらけだったな~。
あの日、家には私しかいなかった。
父は大阪へ出張中で、姉は東京へ遊びに行っており、母も電車で20分ほど離れた友人宅へ遊びに行っていたのだ。
今まで、台風の被害を受けておらず、その時も、大したことない・・と誰もが思っていた。
それが、台風が近づいてくるにつれて、すごい風。
大学生だった私は、家に1人。
風は強くなるけれど、雨戸を閉めた経験もなく、そのままにしていた。
そして、いよいよ風が強まってきた頃に、母が帰って来た。
聞くと、友人宅で話し込み、慌てて帰ろうとしたけれど、電車は止まってしまい、タクシーで帰るしかなかった。
でも、タクシー乗り場が長蛇の列で、とても乗れそうにない。
そこで、タクシー乗り場を少し離れて、客を降ろしたタクシーに無理矢理乗り込んだのだそう。
タクシーの運転手さんは、会社から退避命令が出たから戻らないといけない・・と言ったのだが、「帰らないと困るんです」と泣き落とし。
しぶしぶ運転してくれたタクシー。
そして、いよいよ強くなった頃帰宅した。
その後、雨戸を閉めてほっと一安心したところに、風速30~40メートル級??の突風が吹いて、雨戸が吹っ飛んだ。
と同時に、窓ガラスも割れた。
すると、猛烈な風が家の中に入り込んできて、機転を利かせた母が、部屋の戸を外して、割れた窓にたてかけ二人で必死に抑えた。
そのお陰か、風の入る力が弱まり、天井が抜けるのは避けられた。
今、考えても、あの時、私1人だったら、どうなってたのかな・・?
母は、「ああいうのを神の采配って言うんだろうねー。人の力の及ばないところで、力が働いたとしか思えない」と言います。
うーん、確かに・・。
私、飛ばされて死んでいた可能性もあるし・・。
そんな想い出話をしながら、母が死んでしまったら、こんな話もできなくなるんだな・・と、少しさみしく思ったりもするのでした。
だって、父も姉も経験してないんだもん・・。
P.S
あら!ひょうきんなお顔!
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