yamanba's blog

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九州北部豪雨からまもなく1年、現地は今~東峰村

2018-06-18 21:01:10 | 災害

今年、九州北部地方の梅雨入りは平年より8日、昨年より23日も早い、5月28日だった。今のところ雨量は少なめだが、こういう年は必ずと言っていいほど梅雨末期に豪雨が発生する。昨年の九州北部豪雨もそうだった。早いものであれから1年、今現地はどうなっているのか。先週末、くじゅうへ行くつもりでいたが(ミヤマも終盤とのことで)取りやめ、東峰村へ行ってみることにした。

小石原では、幹線道路である国道211号線の復旧工事は全て終了(国道500号線は今も通行止め)、この日は週末とあって観光客の姿もけっこう見られた。わが家の食卓でいつもお世話になっている蔵元の奥様の話によると、道路は復旧しているが回復していない被災箇所も多く、梅雨本番を前に不安だと仰っていた。確かに211号線沿いの山々を見ると、大規模に土砂が崩れているところでは工事が行われていたが、多くのところで手つかずのままだった。豪雨になれば一溜りもない。

その後、小石原から宝珠山へと向かった。県道52号線はJR日田彦山線岩屋駅までは難なく通行できたが、そこから先は道幅が狭く、道路状態も良くないようで拡幅工事が行われていた。地元の方らしき車は通っていたが、こちらは作業の邪魔になってはいけないと自粛した。この先には、日本棚田百選・竹地区の棚田がある。一目見たかったが、今回はお預けとなった。帰宅後、東峰村のfacebookを見てみると、今月9日、棚田の火祭が行われていた。開催は地元の方々のご尽力があってこそ、復興への思いが燈されたことだろう。

ところで、九州北部豪雨で大きな被害が発生し、現在も不通となっているJR日田彦山線(添田-夜明間29.2㌔)。JR九州は単独での復旧は困難だとして存続が危ぶまれているところだが、今月15日、被災した鉄道の復旧費の支援対象を拡大する改正鉄道軌道整備法が参院本会議で全会一致で可決、成立した。これは黒字経営の鉄道会社でも、被災したのが赤字路線であれば国や自治体が支援するというもので、JR日田彦山線も支援対象になる見通しだ。鉄道は山村地域に暮らす人たちにとって貴重な足であり、一日も早い復旧が望まれる。何より今は何事もなく梅雨が明けてくれることを祈るだけ。

 

【追記 2016.6.21】

一昨日からの大雨もおさまりほっとしたところ。今朝の西日本新聞によると、東峰村は7月から全15行政区で「地区防災マップ」作りを始めるという。住民が作成する「自主防災マップ」を基に、九州大学災害復興支援団(団長:三谷泰浩九大大学院教授)が、村職員や行政区長らと村内を歩いて危険箇所や避難経路などをチェックしマップに記載、専門家からの視点を取り入れた精度の高い防災マップを作る。梅雨には間に合わないが、10月以降の大雨への備えとして活用してもらうという。心強い。

豪雨被災の東峰村と九大が連携 地区防災マップ作成へ 危険箇所、避難路など(西日本新聞 2018.6.21) 


 

撮影日:2018.6.16

橋が流失した岩屋駅橋 中の様子を窺うことはできない

 

 

 

 

駅付近では今も流木の撤去作業が続いている





ここから先は道幅も狭く、拡幅工事が行われている(というわけでここでUターン)※拡幅工事は8月7日まで






岩屋駅付近





河川整備中

 

 

 

 

豪雨の爪痕が残るところ ふたたび災害に備え

 

 

 

 

宝珠山川 

 

 

 

 

一望できるところへ登ってみる 眼下にJR日田彦山線(右端に岩屋駅)

 

 

 

 

山間に竹地区が見える(写真右奥) 大日ヶ岳の中腹に大規模な土砂崩れの跡

 

 

 

 JR日田彦山線、岩屋駅~大行司駅に三つの「めがね橋」 

堂々たる姿の「宝珠山橋梁」(全長79.2m、径間14mの一番大きな5連アーチ橋)

 

  

 

 

その姿が最も美しいといわれる「栗木野橋梁」(全長71.2m、10mの径間2連と14mの径間が3連並ぶ5連アーチ橋)


 


 


水田に映える(栗木野橋梁)

※第二大行司橋梁は撮っていません





今月9日行われた、竹地区棚田の火祭り(写真は東峰村facebookより) 

 

 

《関連記事》

JR豊肥、日田彦山線支援対象に 赤字路線維持へ改正鉄道軌道整備法成立(西日本新聞 2018.6.15)

 

《関連資料》

東峰村公式観光情報サイト トーホースタイル

福岡県道路情報 ※県道52号線はきり石峠が崩壊しているため通り抜けできません