那珂川町は五ヶ山ダムを観光化するため、ダム周辺でキャンプ場や商業施設、親水公園等の整備を進めている。五ヶ山をアウトドアの拠点とし、カヌーや自転車、トレッキングが楽しめるよう計画しており、先月、この五ヶ山エリアの愛称を募集していた。このほどその愛称が決定した。その名も「五ヶ山クロス」。選定理由として、那珂川町にとって愛着のある地名「五ケ山」というキーワードが含まれている。アクティブな場として連想される「クロス」というキーワードが含まれている。自然・都会・人・アクティブなどさまざまな要素がクロスし、交わるイメージがあるなど、審査員から高い評価を得て選定されたという。
残念ながら、私が提案していた「オガワの森(OGAWANOMORI)」は見事に落選した。五ヶ山ダム建設によって、この地を離れて行かざるをえなかった小川内(おがわち)地区や大野地区の人々の思いや五ヶ山に纏わる歴史(小川が地名のもとになったこと)など、かつてここに手つかずの自然があったことを、新たにこの地を訪れる人達に知ってもらい、親しんでほしいとの思いで応募してみたが届かなかった。そもそも「五ヶ山」の愛称なのだから、(地名は表記される前提で)それを入れるという発想はなかった。ちなみに、当選されたのは新潟県の方だった。
昨日、6月1日、「筑紫郡那珂川町」を「那珂川市」とする総務大臣告示が掲載され、今年10月1日、那珂川市の誕生が正式に決定した。那珂川町は「五ヶ山クロス」を市制化に対しての勢いや力強さが伝わる言葉だというが、果たしてどうなのだろう。ダム建設によって多くのものを失った「五ヶ山」だからこそ、市として伝えるべき大切な言葉があるように思うのだが。何はともあれ、「五ヶ山」が多くの人に愛される場所になってくれれば、、
五ヶ山エリアが五ヶ山クロスに
審査はキャンプ場予定地で
キャンプ場予定図(仮称:桑河内ふれあい公園)
アウトドアの拠点となる五ヶ山ダム周辺の施設
《関連資料》
・那珂川町HP。那珂川町の最南端 五ケ山エリアの愛称を募集します(2018年4月11日)
《参考資料》
・佐賀県東脊振村小川内における山村空間の重層性(日本地理学会 J-STAGE資料)