五ヶ山ダムの放流がはじまってもうすぐ2ヵ月になるが、今も放流は続いている。先週末、五ヶ山クロスのダムサイト記念公園(ベース)へ行く際、五ヶ山ダム堤体を歩いてみたが、副ダムから水が放流されているのが確認できた。そこで、本日(5日)、福岡県河川管理課へ放流状況について問い合わせをしてみたところ、雨の少ない日が続いているため、放流は継続しているとのことだった。放流量については(降雨時には調整が行われているが)、1日約12万トンの水を放流しているとの説明があった。こちらから取水設備の壁に取り付けられた水位計で約2m水位が下がっていることが確認できたと伝えると、そのくらいでしょうと言われた。
福岡市関連8ダム貯水量グラフを見てみると、3月上旬に降った雨で貯水量は一時的に持ち直していたが、今はふたたび低下傾向にある。(下グラフ参照)このまま雨が降らない日が続くようだと、さらに水位は低下することになり、五ヶ山ダムの運用開始は途方もなく遅れることになる。先週末、五ヶ山クロスがオープンしたが、カヌーなどダム湖でのアウトドアは当分お預けということになるのだろう。
それにしても、雨が少ない。2年前の九州北部豪雨や昨年の西日本豪雨のような豪雨でしか、水が確保できない状態に危機感を覚えるのは私だけではないとは思うが、今一つ心配なのは、五ヶ山ダム近くに埋設されている245T剤(枯葉剤の主要成分となる除草剤)である。いつかダム湖に流れ込むのではないかという不安が付き纏う。今年2月末、福岡市の担当課長と電話でやりとりをしたが、245T剤埋設問題は管理外であり、市としてやることはやっていると言わんばかりだった。確かに情報公開請求によって、水質調査はきちんと行われているのはわかった。しかし、異変が見つかってからでは、手の施しようがない。近年、自然の驚異は想像を遥かに超えている。それゆえ、一日も早く撤去をしてほしいと思っているが、国は動く気配もない。議員に働きかけをしようとするが、今は選挙中で取り付く島もない。そうこうしているうちに、今年もその季節がやってくる。いつまでも放置しているわけにはいかないのだが。
撮影日:2019.3.30
102.5mのダム天端から見下ろす(写真中央:ダムによって分断された那珂川のはじまり)
減勢工(副ダム)から放流中
五ヶ山トンネル側からダム堤体へ
茶色の部分が放流によって減った分
正面にダムサイト記念公園(ベース)
綺麗に整備された遊歩道
ダム湖の向こうに245T剤埋設地がある(写真中央右)
取水設備
現在の水位は405m、およそ2m低下
放流された水は南畑ダムへ、そして福岡市へ(写真中央奥)
山肌が露になった南畑ダム
西日本豪雨から急降下、3月上旬に上向いたが
4月に入って、ふたたび低下傾向