7日に行われた統一地方選挙・福岡県知事選で小川知事が圧勝。ひとまず安堵して休んでいたところ、8日午前1時すぎ、市議選結果が気になって、目が覚めた。開票速報を見ると、ほぼ全ての議席が決まり、残り1議席というところだった。すぐさま親高島派の議席を数えてみたところ21議席。再度、数えてみたが結果は同じ。起きてほしくないことが起きてしまった。がっくりしていると、喜びを抑えきれなかったのか、高島市長のツイートが入ってきた。(余計に眠れなくなってしまったので)詳しく見てみると、博多区(定数9)で、わずか90票差で維新新人(堀本和歌子氏)が共産党新人(木村たくじ氏)を制し、親派1議席を獲得。ここが運命の分かれ道となっていた。
高島市長は親派(21議席)を確保するため、選挙期間中、公務を放り出し、自分の選挙のように選挙カーに乗り込み、候補者の応援をしていた。だが、高島市長が支援した候補者は全員落選している。(市民はよく見ている)なぜ、高島市長はこれほど21議席に拘るのか。それは定数62人のうち3分の1以上、つまり21人の味方がいれば、議決のやり直しを求める「再議」を申し立てた際、議会の結論をひっくり返すことができるからである。言い換えれば、議会を自分の思い通りに動かせるからである。しかし、「再議」というのは、議決内容に異議がある場合、最後の切り札として使うものであって、自分の思いを押し通すためのものではない。2年前、高島市長が再議を発動し、福岡空港新会社への出資を拒否したのは、議会軽視以外の何ものでもない。この時、自民党1人が造反したため、21議席となり、高島市長の勝利となったが、その時の独裁ぶりは忘れられない。
さて、市議選が終わった途端、ロープウエーの話題が出始めた。先月、高島市長は「もうロープウエーは議論もしない」と言っていたが、この時、親高島派は20人だった。が、選挙は終わり、21議席を獲った。ふたたびロープウエー構想が浮上する可能性も否定できない。なぜなら、JR九州が手ぐすねを引いて待っているから。いよいよ議会から目が離せなくなってきた。
堀本氏と木村氏の差は、わずか90票
新たな顔ぶれでどんな議論がなされるのか (2019.4.8付 西日本新聞朝刊)
《新会派「福岡令和会」誕生 2019.4.11更新》
「みらい・無所属の会」と「日本維新の会」が10日、新会派「福岡令和会」を結成すると発表した。メンバーは、みらいの国分徳彦氏、藤本顕憲氏、浜崎太郎氏、維新の天野浩氏、新人の堀本和歌子氏(元モデル)、無所属の橋田和義氏(空港問題の際、高島市長へ寝返った元自民)の6人。いずれも高島市長のお友達だが、そこに新人の堀本氏が加わった。高島市長に対しては「何でもイエスではなく、二元代表制の一翼として意見や提言もしていく」と話しているが、さてどんなものだか。じっくり見ていくことにしたい。
新会派「福岡令和会」結成 みらい、維新などの6人 福岡市議会(西日本新聞 2019.4.11)
《親高島派が21人から22人に 2019.4.18更新》
親高島派が1人増えて22人になった。内訳は、公明党が12人(改選前比1人増)、福岡令和会(みらい・無所属の会と日本維新の会)が6人、自民党新福岡が4人。自民新福岡は、高島市長の応援を受けたとされる無所属新人(藤野哲司氏)が加入し、3人から4人に増えた。これで議会運営委員会に委員を出せるようになった。さて、これがどんな(悪)影響を及ぼすことになるのか。
・「親高島派」が22人 福岡市議会、会派構成決まる(西日本新聞 2019.4.17)
《関連記事》
・福岡市長が奔走、効果は? 「親高島派」の議席増 重点応援の新人落選(西日本新聞 2019.4.9)
・福岡市議選「市長派」3分の1以上に ロープウエー構想削除の見直し可能に(毎日新聞 2019.4.8)
・福岡市議選「親高島派」21人当選 1増、再議「切り札」確保(西日本新聞 2019.4.8)
・【統一地方選】福岡市議選 市長がヒートアップ、「与党議員」の増加狙う(産経新聞 2019.4.5)
《関連資料》