12月22日、福岡市水道局は、ツイッターで五ヶ山ダムの試験湛水が完了したことを報告した。(今のところ福岡県からの公式発表はない)22日現在、五ヶ山ダムの貯水率は1.7%、水位は約354.9m、最低水位まであと10mのところ。ここで試験湛水完了するとは思わなかった。ちょうど視察に行こうとしていたところで、もう少し水位を下げるものとばかり思っていた。ということで(24日はまとまった雨になるというので)、23日朝、水が溜まらないうちに、急ぎ現地へ向かった。
ダム湖には懐かしい風景が広がっていた。ダム底あたりは泥色に変わっていたが、かつて見た風景がそのままの形で残っていた。原石山近くでは原石の分別に使用されたと思われる建物の跡が、骨材製造設備があった場所では建物の基礎がそのまま残っていた。土砂を運び出していた道も見えた。まるで建設現場が蘇ってくるようだった。
かつて人々が暮らしていた小川内地区では、古びた写真を見ているようにすべてが茶褐色に染まっていた。昔のことを思い出していると、水の流れる音が聞こえてきた。那珂川だ。水位が下がって川が生き返っていたのだ。自然はなんと正直なのだろう。嬉しさと切なさが入り混じった不思議な気持ちになりながら、しばらく橋の上に佇んでいた。(もう二度とこのような風景は見れないだろうから)
試験湛水開始から4年、当初の予定から約2年遅れて試験湛水は完了した。今後、ダム堤体の安全性を確認して、来年(令和3年)1月中に正式に併用開始となる。事業開始から42年、長い歴史とともに五ヶ山ダムがある。
撮影日:2020.12.23
かつての風景が蘇る
こちらは今年4月20日(試験湛水目標水位413.4m到達時)
作業場跡
ダム堤体 4年の歳月を感じさせる
定点から見る
小川内地区 かつてここに人々の暮らしがあった
※今回、小川内の杉に異変を見つけました。詳しくはこちらで。
川が生き返って、、
那珂川からダム湖へ
県道もそのまま
骨材製造設備跡
水質観測装置が陸に上がっている
23日現在、貯水率1.5%
23日現在、水位は354.97m
放流停止
※川の保全のためにわずかに水は流れています。
《参考資料》
・福岡市。五ケ山ダム建設事業について(2020.12.23)※試験湛水完了報告