ドタバタしている間に動きがあった。今月3日、佐賀県の環境影響評価審査会が唐津市の七山市民センターで開かれ、方法書に記されている現地調査の手法などが審議されていた。審査会の議事録が公開されていないので、どういう意見が出たのかわからないが、報道によれば、委員から「風車設置予定地付近に登山道があり、利用者に騒音や超低周波の影響があるのではないか」「渡り鳥の飛行ルートに当たり、バードストライクの危険性がある」など指摘があったという。今後、審査会で出された意見をもとに、大和エネルギーは現地調査を行う。
また、報道によれば、地元住民の反対が根強いことや新型コロナウイルスの感染拡大で住民への説明が進んでいないことから、当初、2月15日までとされていた方法書の縦覧は2ヵ月延長し、4月15日まで。あわせて意見書の受付も4月30日まで延長されることとなった。昨日、同社のホームページを見ると、延長のお知らせが掲載されていた。もちろん、住民が反対していることは書かれていない。
ところで、先月、唐津市七山公民館で行われた住民説明会に参加された方のnoteを見かけた。地元の内情が詳しく書かれており、大変興味深く拝読させていただいた。記事によると、やはり反対運動の主流となっているのは、糸島市の人達で、そこに脊振山の保護活動をされている方々(おそらく「脊振の自然を愛する会」ではないだろうか)が加わり、昨年から活動されていたらしい。それで、大和エネルギーは糸島市を対象地域から除外したのだろう。
先月22日、七山公民館で実施された住民説明会にもそうした方々が参加されており、事業者の説明のあとに行われた質疑応答では、かなり専門的なやりとりもあったようで、反対の声が相次いでいたという。このことが報道されていたわけだが、建設地である七山の住民からの質問は少なかったという。note筆者は、こうした住民間の乖離を懸念されている。何となく予感はしていたが、やはりという思いである。ともかく建設地の住民の方々が、最善の答えを出していただくほかない。七山の未来のために。
2月3日、佐賀県環境影響評価審査会の様子 写真左が委員と県関係者、右が事業者(写真:佐賀新聞より)
美しい脊振山系がこういうことに、、 (写真:大和エネルギーHPより)
《関連記事》
・脊振山系の風力発電計画、現地調査の手法を審議 地元住民からは反対根強く 佐賀県環境影響評価審査会(佐賀新聞 2021.2.3)
《参考資料》
・大和エネルギー。(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業 環境影響評価方法書の縦覧並びに意見書受付期間の延長について(2.15)