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厚狭川氾濫~厚狭大橋で氾濫危険水位超え

2023-07-07 09:59:49 | 災害

6月30日深夜から7月1日未明にかけて、山口県は警報級の大雨となった。厚狭川上流が氾濫し、美祢市四郎ケ原付近では、美祢線の線路と橋が流出した。また、トラック7台が冠水した道路に浸水し、1人が行方不明となっている。それで、3日、厚狭川流域の上空をヘリコプターが行ったり来たりしていた。報道によれば、下流域(厚狭大橋付近)まで範囲を広げて捜索しているとのことだった。

 

30日午後11時40分頃、ものすごい雨の音で目が覚めた。只事ではないと感じ、すぐに気象庁のレーダーを確認した。すると巨大な雲の塊が山口県西部を覆っていた。これは大変なことになるなと思っていたら、午前0時前、緊急速報メール警戒レベル4が入った。自分のいる場所が避難対象になっていた。そこで、近くの厚狭大橋の水位を見ると、まだ警戒水位以下だった。その後、さらに雨が酷くなった。

午前1時すぎ、ふたたび緊急速報メールが入った。今度は警戒レベル5、随光川と桜川で氾濫が起きたというもの。昨年と同じだ。厚狭川の水位が上昇したため、支流の桜川へ排水したことで、氾濫が起きているのではないか。そもそも桜川は小さい川なので氾濫が起きやすい。数年前に改良工事が行われていたが、さらに改良する必要があるのではないか。そんなことを考えながら、うとうとしてしまった。

はっと目が覚め、午前2時すぎ、ふたたび厚狭大橋の水位を見ると、なんと氾濫危険水位を超えていた。2010年以来、初めてのことだ。美祢市東厚保では、降り始めからの雨量が200ミリを超え、氾濫危険水位を3m超えていた。すでに災害が起きていてもおかしくない状況だった。暫くすると、また緊急速報メールが入った。厚狭大橋付近で氾濫危険水位を超え、氾濫の危険性があるというものだった。氾濫するのか。不安になったが、実家は少し高い場所にあるので、浸水の心配はないと思った。もしもの場合は、2階に避難できる。

幸い、午前3時すぎ、雨は小康状態になり、水位は少しずつ下がっていった。ほっとして、午前4時前に寝てしまったが、もしあのまま雨が降り続いていたら、どうなっていたかわからない。

 

 

厚狭大橋河川カメラ画像(山陽小野田市防災気象情報より)

7月1日午前2時頃の水位は4.55m、氾濫危険水位を超えていた(厚狭大橋の氾濫危険水位は4.5m)

 

 

 

7月1日午前3時頃の水位は4.71m、橋桁直下まで上昇していた(この後、水位は徐々に下がっていった)

 

 

 

7月1日午前8時30分頃の水位は2.8m、警戒水位を下回っていた(起きたら午前8時前だった、、)

 

 

 

30日午後11時半頃、気象レーダーを見ると、、

線状降水帯の発表は、これから1時間半後だった(遅すぎる)

 

 

 

厚狭大橋の水位(山口県土木防災情報システムより)

7月1日午前3時頃がピークで、午前4時以降に水位は下がった

 

 

 と安心していたら、1日夕方午後4時頃、1時間55ミリの大雨に。6月30日の降り始めからの雨量は267ミリに上った。

 

 

美祢市東厚保の水位

東厚保も7月1日午前3時頃がピーク、この時点で堤防を約2.5m越えていた

以上の観測データから、美祢市と山陽小野田市、いずれも午前0時から午前2時までに猛烈な雨が降ったことがわかる。

 

 

美祢線、流出した線路と橋(この付近の厚狭川は狭い)

流水の威力は計り知れない(写真は中国新聞より)

 

 現場位置図

 

 

上写真の場所からおよそ9Km下流にある厚狭川寝太郎堰(7月3日撮影)

大雨の痕跡が見られた

 

 

 

厚狭大橋へ

 

 

それぞれの場所を地図に記入してみると、、

 

厚狭川は厚保の南側で大きく蛇行している。そのため水の流れが堰き止められ、氾濫が起きやすくなっているのではないだろうか。 

 

 

今から13年前、2010年厚狭豪雨では大水害が発生した。そのため厚狭川大橋付近では、河道掘削や拡幅工事、堤防を高くするなど浸水対策が取られた。それ以降、氾濫が起きることはなかった。しかし、今回は氾濫危険水位を超えてしまった。昨年7月にも線状降水帯が発生して大雨になったが、氾濫危険水位を超えることはなかった。この差は大きい。おそらく温暖化が急速に進んでいる証だろう、油断できない。と言っていたら、今週末、また警報級の大雨になるとのこと。一難去ってまた一難、、

7~10日 西日本など警報級大雨 災害リスク急激に高まる 大雨に備えて今できる事(tenki.jp 2023.7.6)

 

《関連記事》

記録的な大雨 1人死亡 1人行方不明 約400棟が浸水被害(NHK山口ニュース 2023.7.4)

JR美祢線流出の厚狭川 水位は1時間で最大2m超の急上昇 堤防を約2.5m越える氾濫(KRY山口放送 202.7.1)

山口県西部 中部 北部で線状降水帯が発生 災害の危険度高まる (NHKニュース 2023.7.1)

 

《参考資料》

気象庁。令和5年6月29日から7月1日にかけての山口県の大雨について