台風6号による大雨で、宮崎県でまたしても大きな被害が出た。昨日(10日)、道路の通行止めが続いていたが、午後、高速道の通行止めが解除され、相方が宮崎へ向かった。また被害状況が報告できればと思っているが、まずは台風6号の足跡を辿ってみたい。
7月28日午前3時、台風6号発生。当初は南シナ海から中国大陸に進み、29日に熱帯低気圧になる予報だった。ところが、大どんでん返し、予報は大きく外れた。8月1日頃、沖縄を暴風域に巻き込みながら西に進んでいたところ、太平洋高気圧の勢力が弱まるや否や、東シナ海でUターン。沖縄・奄美地方をゆっくり一周した後、7日頃、進路を北に変え、九州の西の海上をこれまたゆっくり北上した。9日から10日にかけて、活発な雨雲が宮崎県や四国にかかり続け、宮崎県で線状降水帯が2回発生した。その後、九州北部へ接近し、対馬の西海上を通って韓国に上陸。本日(11日)午前3時、朝鮮半島で熱帯低気圧に変わった。台風発生から2週間、長く生きて多くの被害を与えた。
宮崎県では、線状降水帯が2回発生。1回目は9日21時頃、南部山沿いで発生した。直後の21時40分、小林市と宮崎市の一部に緊急安全確保が発令された。小林市では1時間に93.5ミリの猛烈な雨が降り、真方川や岩瀬川が氾濫、床下浸水の被害が出ている。2回目は10日1時30分頃、北部平野部と北部山沿いで発生した。その後、日之影町(同2時30分)と延岡市(同3時15分)に緊急安全確保が発令された。延岡市細見町では田んぼが冠水する被害が、また高原町では複数の土砂崩れが発生するなど各地で被害が広がっている。
宮崎県では、昨年9月の台風14号により甚大が被害が出ており、今も復旧工事が続いている。そこがまたやられてしまった。椎葉村野地地区の国道375号線は、県による復旧作業が行われていたが、ふたたび大規模な崩落が起きている。自然は容赦ない。また一から工事が始まる。毎年のように起こる災害との戦い、これは他人事ではない。
高原町広原の土砂崩れ(画像:宮崎日日新聞より)
土砂崩れが複数発生
椎葉村野地地区、国道327号線沿いの土砂崩れ(画像:テレビ宮崎より)
幅、高さとも40mにわたり崩落
氾濫した岩瀬川の様子(宮崎県の雨量・河川水位観測情報からキャプチャー)
9日20時45分:すでに橋の下まで水位が上昇していた
9日20時55分:消防車が来ているのか
9日21時20分:氾濫寸前、というかすでに氾濫しているのでは
9日22時40分:氾濫発生
大雨から2日後の様子
8月9日、午後8時半すぎ、国交省の「川の防災情報」を見ると、岩瀬川で氾濫危険水位を超えていた。すぐに宮崎県の監視カメラを見ると、岩瀬川は氾濫寸前のところだった。1時間半後、見るとすでに氾濫が発生していた。報道によると、9日午後12時前、この画像の上流にある真方川で氾濫が発生したとあった。画像の場所は、真方川と石氷川が合流した地点からさらに下流になる。地図を確認すると、この辺りは小さな河川が複数流れ、岩瀬川に集まっている。もしかすると、逆流したのではないだろうか。
と言っていたら、また台風、、
それにしても予報は見事に外れたな
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《参考資料》