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結論ありき 福岡市個人情報保護審議会、自衛隊名簿提供認める(2月12日更新) 

2020-02-10 21:16:36 | 自衛隊名簿

先週末、福岡市役所は騒然としていた。先月31日、高島市長が自衛隊への名簿提供について個人情報保護審議会に諮問したことを受け、2月7日、同審議会が開催された。前出のとおり、市民への告知は規定破りの開催4日前、しかも傍聴席はたったの5席。そのため傍聴ができない市民が市に抗議し、どうにか別室での映像傍聴が可能になったという。この日、山口に居たため参加することはできなかったが、参加した方々の情報によると、当日、約170人(報道では130人超)の市民が市役所へ詰めかけたという。(下写真参照)

委員会室で傍聴された後藤富和弁護士や中山議員(共産党)などの情報をまとめると、福岡市は、自衛隊職員と市職員の事務作業の軽減が、福岡市個人情報保護条例の目的外利用とする「公益上の必要」(条例第10条2項)にあたると主張し、名簿をデータで提供すべきと提案した。これに対し、委員からは「自衛隊員や市職員の仕事を減らすことは公益性とは言えない」との意見が出た。すると、市は「自衛隊は災害発生時の救援活動に尽力している」と反論したという。自衛隊の本務は国防であり、災害救済チームではない。第一、行政の効率化と個人情報は次元の違う話であり、それこそ議論のすり替えである。

また、市が情報をデータ(CD-ROM)で渡すとしたことに対しては、委員から「電子媒体での提供は情報流出などの危険があるのではないか」と指摘。すると、市は「リスクはない」と答えたという。しかし、根拠は示していない。委員からは「システムが完了したのなら必要な名簿だけこれまで同様閲覧させればよい」など異論や疑問が出ていたという。ところが、議論は途中で打ち切り、採決もせずに名簿提供を認めてしまったのである。まさに結論ありき。ツイッター上では、市民から「出来レース!」「忖度!」と怒りの声が上がっていた。

ただし電子媒体は認めなかった。審議会は、提供は紙媒体のみとし、性別と生年月日を除いて、提供を望まない人に適切な措置を執るよう市に求めたという。せめてものつもりだろうが、個人情報保護条例の目的外利用を認め、お墨付きを与えてしまったことに変わりはない。高島市長が審議会の助言を無視し、本人の同意を得ずにデータを提供する可能性は大いにある。というか、おそらくそうするだろう。

さて、福岡市議会はどう動くか。2月議会は来週17日に開会する。本人の同意なしの情報提供に反対しているのは、今のところ共産党と緑とネットの2会派だけだが、自衛隊への名簿提供を拒否したい若者のため、何より人権保護のためにも、高島市長が本人の同意を得ずに情報提供を行わないよう、議会全体で歯止めをかけてほしい。

 

《2020.2.12更新》市が議会に報告するか

自衛隊名簿提供問題について、市が議会に報告をするという情報が入った。当初は、18日午前10時からの常任委員会・総務財政委員会で行われるということだったが、再度連絡があり、審議会からの答申がまだないとのことで、市は報告しない可能性もあると。17日にはっきりするらしいが、答申がなくとも報告すべきだろう。

 

 

2月7日、福岡市役所15階会場前の様子 (写真:後藤弁護士ツイッターより)

 

 

 

福岡市個人情報保護条例が骨抜きにされてしまった、、

 

 

《関連記事》

福岡市、自衛隊への名簿提供認める 18、22歳の住所と氏名を紙で 審議会「事務効率化」(毎日新聞 2020.2.8)

 

《関連資料》

福岡市附属機関等の会議・議事録

 ※7日の議事録はまだアップされていません。

 

 



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