山陽小野田市埴生に建設中の宇宙監視レーダー基地では、電源局舎の工事が進んでいる。先週、埴生ICからその様子を見ることができた。防衛省の資料によると、電源局舎は鉄筋コンクリート造(RC造)平屋建で令和5年3月に竣工予定となっている。一方、レーダー局舎のほうは、すでに基礎工事が終了し、現在はユーティリティ工事が行われているようだ。(埴生ICからは見えません)
前回記事掲載直後、昨年12月4日に開催された住民説明会の報告書が市のホームページにアップされていた。見ると、市内参加者は55名、市外参加者は25名と多くの方が参加されており、関心の高さが伺えた。市民からの質疑応答では、ほとんどが基地の安全性に疑問を呈したものだった。内容は専門的で市民のレベルの高さを感じた。防衛省からは12名の職員が出席、市民の質問に答えている。気になる自然災害が発生した場合の対応についての質問では、これまで基地は無人で防府北基地から遠隔で対応するとしていたものを変更し、防府北基地の隊員を常駐させることを検討していると答えている。地震時の対応については、これから計画を作るという。
会議録を読むと、防衛省の本音も見えてくる。宇宙レーダー基地が攻撃されるのではとの質問に対しては、否定はしていない。その上で、自衛隊が24時間体制で監視し、専守防衛の下で対応するという。市民からは、取得したデータをアメリカ軍と共有することへの質問が多数あった。それらに対しては、日本の観測データが増えたからといってアメリカが持っていない情報が増えるというものではないと説明し、データーが渡ってから先のことはわからないとしている。想定されるリスク(風評)への対応については、山陽小野田市に補助金や交付金を交付していると答えている。どこか原発と構図が似ているような、、いつか来た道とならなければよいのだが。
電源局舎 骨組みが見えてきた (埴生IC付近から2月9日撮影)
宇宙監視レーダー基地配置図(防衛省令和3年12月資料より)※令和5年度に運用開始予定
山陽道のすぐそばにレーダー局舎、、
《参考資料》
・山陽小野田市。山陽受信所跡地への宇宙状況監視レーダー建設について(2021年12月15日更新)