愛をこめいのち見つめて―病床からガンの友へ集英社このアイテムの詳細を見る |
♪「愛をこめ、いのち見つめて~病床からガンの友へ」柳澤桂子 集英社文庫
妻の病状を心配してくれた十和田の友Aが送ってくれた本。
理学博士で三菱化成の研究所主任研究員だった筆者が
自ら原因不明の難病と戦いながら、末期がんに犯された友人に対して励ましを送り続けた書簡集。
最初は理学博士で慶応大学医学部にも在籍した筆者らしく(?)、宇宙の生成から地球や生命の創造の話しが続く。
「こんな難しい手紙を貰ったって、病人が読むには大変じゃないか」とも思ったが
読み進むうちに「生命とはなにか、がんとはどういう風に作られるか」ということが分かり易く解説されていて
手紙の受け手も自分の病気を理解したり、これからの過ごし方などを考える上で参考になったと思う。
後半は、骨転移により激しい痛みに苛まれている相手を思いやり、少しでも気分を晴らすために旅行の話や詩歌の話しなどが続き
自分も闘病しながらも友人を思いやる気持ちが溢れており、同じように先が見えない病状の家族を持つ身として、とても心に沁みる手紙だった。
最後まで読み終わる前に妻が逝ってしまったが、もっと早く読んで少しでも妻に安らぎを与える参考になれば良かったとも思うが、今更詮無し。
またもう一つのブログを読んだ方から勧められた「がん患者さんの・心と体の悩み解決ガイド」(日経BP社)についても、早速買っては見たものの結局1ページも読まないうちに妻の逝去となった。
これもまた詮無し。