♪「はるヲうるひと」('21-09 21/06/15 )
俳優佐藤二朗が原作・脚本・監督を務めた作品。佐藤二朗といえば、最近のTVなどでは温厚で小心者のお父さんみたいな役どころが多いが、なんか本質は違うんじゃないかなと思っていた。
最近、深夜のインタビュー番組に出ていて、若い時の役者を目指していた頃の話やせっかく広告代理店に就職したのに1日で辞めてしまった話などを聞いて、あー、この人はやっぱり心の奥に秘めた鬱屈とか野心とかから沸き立つパワーのある人なんだなと思っていた。そうしたら、この作品!自ら本を書いて、監督して演じているこの作品は、暗くて屈折していて救いようのない辛さがたっぷりだ。やっぱりこういう映画を撮る人なんだなぁと、妙に感心した。ずーっと辛いままで終わるのかと思ったら、最後に少しは希望が垣間見えたので、ちょっとほっとした。
山田孝之は、こういう影のある屈折した若者をやらせると上手いなぁ。仲里依紗も存在感ある。
♪「るろうに剣心 最終章 The Final 」('21-10 21/06/15)
第1作は2011年というから10年前。その前から原作のコミックは、ラーメン屋で少年ジャンプをパラパラめっくっている時にちょっと読んだりしていた。でもちゃんと読む気にはならず、映画も全く興味なかった。
それから10年、今回最終章ということで、映画の予告編やTVに佐藤健や武井咲が出て宣伝しているのを見るうちに、なんか興味が湧いてきた。それで、Amazon primeで過去の分を全部観終わったので、最終章を観ることにした。
幕末から明治維新を経て新しい日本が誕生するに際しては、ひょっとしたらこんな荒唐無稽なことも実際に起こっていたのではないだろうかと思えてしまうところがある。大河ドラマの「青天を衝け」や少し前の「西郷どん」などとも重なり、やっぱり明治維新前後の日本はとても興味深い。明治維新のストーリーは司馬遼太郎が決めた?などと言われているところもあるが、もっといろいろ知りたいね。
SFXも駆使しているのだろうが、佐藤健のアクションはすごい。武井咲も青木崇高も江口洋介も土屋太鳳も良い。心に深淵で暗黒の沼を持つ剣心が、新しい明治の時代で薫と一緒に安寧に暮らせることを祈念したくなる話だった。
♪「るろうに剣心 最終章 The Beginning」('21-11 21/06/15)
1日のうちに、上記The Finalに続けて、The Beginningも観る。剣心ダブルヘッターDay。
最初、総集編的な話?と思ったが然に非らず。剣心の頬の十字傷の所以、The Finalにも出てきた雪代巴の日記、巴と剣心の関わりなどが明らかになる。んー、なるほど、新政府転覆を企む敵達との死闘が終わった後に、剣心の過去が明らかになるこの作品も、なかなか良く出来ている。剣心と巴の束の間の安らぎと悲しい別れに、オヤジもちょっとウルっとしそうになった。
有村架純、やっぱりこういう心の憂いと儚さ、その奥に秘めた強さを持つ女性の役はぴったりだ。オヤジ的には、若手女優の中ではイチオシです。