TBS系(JNN) 1月27日(月)21時8分配信
ソチオリンピックがいよいよ来週開幕します。しかし、心配されるのがイスラム過激派によるテロです。ソチに隣接する北カフカス地方では、いまテロが多発しています。特にダゲスタン共和国では連日、テロが起きています。オリンピックを狙うイスラム過激派。そのメンバーの映像を入手しました。テロリストたちの素顔に迫ります。
「我々を待ちなさい。私たちはあなたたちを攻撃する。どこででも待ち伏せし、あなたの頭を切る」
テロを予告する20代の男。男は、現在、ロシアが最も警戒する武装組織のメンバーでした。
昨年12月。ロシアの治安部隊は、イスラム武装勢力「カフカス首長国」の掃討作戦にあたっていました。それは、この武装勢力の司令官が行った次の宣言がきっかけでした。
「今、ロシアはオリンピックを計画している。祖先の骨の上での悪魔の舞踏を止めるため、全力を尽くすよう呼びかける」(「カフカス首長国」 ウマロフ司令官 去年7月)
オリンピック阻止を呼びかける「カフカス首長国」のリーダー、ウマロフ司令官。ロシア南部、北カフカス地方にあるチェチェン共和国の出身です。彼は近年、数々の大規模なテロを引き起こしてきました。そして、このウマロフ司令官とともに3年前、モスクワ郊外の空港で起きたテロに関わったのが、テロを予告していた冒頭のあの男です。
「ウマロフ司令官は有能な爆弾専門家です。爆弾は7キロくらいまでで、それ以上大きいものは目立つので作らない」(テロリストの男)
最近、ロシア南部には、外国で活動したテロリストや資金が入りこんでいて、「警官1人を殺害すると300ドル」など、テロがビジネス化しているともいいます。
「自爆は一瞬のことで、人は痛みを感じず、ズタズタになるだけです」(テロリストの男)
チェチェンでは、なぜテロリストが生まれたのでしょうか。
「空港、便所、どこにいても容赦なくやつらの息の根を止めてやる!これは決定事項だ!」(プーチン首相【当時】 99年)
1990年代。ロシアは、独立しようとしていたチェチェンを強大な軍事力で抑え込み、10年間で数十万人が犠牲になりました。これに、チェチェンのイスラム過激主義者はテロで対抗するようになったのです。しかし、彼らがテロを続ける理由は他にもあるといいます。
「もし自分の氏族が殺害されたら、殺害者の血を流す」(元ロシア内務省大佐)
チェチェンには、ロシアの犠牲になった同胞に報復する「血の掟」があるのです。さらに・・・。
「父はムサエリ。その父はクート。そのまた父はムサエリ」(チェチェンの男性)
この地域には、自分の祖先がどう死んだか、何代にもさかのぼって覚えている慣習があります。イスラム過激主義の組織は多数あり、オリンピック中、彼らが狙うのはソチだけではありません。
「五輪から注意をそらすため、ソチ以外でテロを起こす可能性がある」(ロシア治安部隊大佐)
現在、武装勢力の掃討作戦を行っているロシア治安部隊の大佐は、モスクワなどの大都市や地方都市でもテロが起きる可能性を指摘します。これに対し、ロシア政府はどう対抗するのか。ソチでのテロ対策をよく知る人物によりますと、治安当局は、「攻撃前に」テロリストを見つけるシステムに重きを置いているといいます。
「特別短距離レーダーがあって、10~15メートル離れていても爆弾を身につけたテロリストを発見できるシステムだ」(元ロシア海軍大佐)
ソチでは、爆弾を身に着けたテロリストをレーダーで探知するといいます。さらに、テロリストの居場所を事前につかむため、通話や通信情報を収集するシステムを使ったり、海では、敵に気づかれないため、泡の出ない特殊潜水具も使用するということです。
実は、北カフカス地方に隣接するソチでは、その昔、ロシアが北カフカスを征服する中で多数の先住民を殺害したとされています。ロシアは、テロの発生を食い止められるのでしょうか。(27日15:28)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2113166.html
ソチオリンピックがいよいよ来週開幕します。しかし、心配されるのがイスラム過激派によるテロです。ソチに隣接する北カフカス地方では、いまテロが多発しています。特にダゲスタン共和国では連日、テロが起きています。オリンピックを狙うイスラム過激派。そのメンバーの映像を入手しました。テロリストたちの素顔に迫ります。
「我々を待ちなさい。私たちはあなたたちを攻撃する。どこででも待ち伏せし、あなたの頭を切る」
テロを予告する20代の男。男は、現在、ロシアが最も警戒する武装組織のメンバーでした。
昨年12月。ロシアの治安部隊は、イスラム武装勢力「カフカス首長国」の掃討作戦にあたっていました。それは、この武装勢力の司令官が行った次の宣言がきっかけでした。
「今、ロシアはオリンピックを計画している。祖先の骨の上での悪魔の舞踏を止めるため、全力を尽くすよう呼びかける」(「カフカス首長国」 ウマロフ司令官 去年7月)
オリンピック阻止を呼びかける「カフカス首長国」のリーダー、ウマロフ司令官。ロシア南部、北カフカス地方にあるチェチェン共和国の出身です。彼は近年、数々の大規模なテロを引き起こしてきました。そして、このウマロフ司令官とともに3年前、モスクワ郊外の空港で起きたテロに関わったのが、テロを予告していた冒頭のあの男です。
「ウマロフ司令官は有能な爆弾専門家です。爆弾は7キロくらいまでで、それ以上大きいものは目立つので作らない」(テロリストの男)
最近、ロシア南部には、外国で活動したテロリストや資金が入りこんでいて、「警官1人を殺害すると300ドル」など、テロがビジネス化しているともいいます。
「自爆は一瞬のことで、人は痛みを感じず、ズタズタになるだけです」(テロリストの男)
チェチェンでは、なぜテロリストが生まれたのでしょうか。
「空港、便所、どこにいても容赦なくやつらの息の根を止めてやる!これは決定事項だ!」(プーチン首相【当時】 99年)
1990年代。ロシアは、独立しようとしていたチェチェンを強大な軍事力で抑え込み、10年間で数十万人が犠牲になりました。これに、チェチェンのイスラム過激主義者はテロで対抗するようになったのです。しかし、彼らがテロを続ける理由は他にもあるといいます。
「もし自分の氏族が殺害されたら、殺害者の血を流す」(元ロシア内務省大佐)
チェチェンには、ロシアの犠牲になった同胞に報復する「血の掟」があるのです。さらに・・・。
「父はムサエリ。その父はクート。そのまた父はムサエリ」(チェチェンの男性)
この地域には、自分の祖先がどう死んだか、何代にもさかのぼって覚えている慣習があります。イスラム過激主義の組織は多数あり、オリンピック中、彼らが狙うのはソチだけではありません。
「五輪から注意をそらすため、ソチ以外でテロを起こす可能性がある」(ロシア治安部隊大佐)
現在、武装勢力の掃討作戦を行っているロシア治安部隊の大佐は、モスクワなどの大都市や地方都市でもテロが起きる可能性を指摘します。これに対し、ロシア政府はどう対抗するのか。ソチでのテロ対策をよく知る人物によりますと、治安当局は、「攻撃前に」テロリストを見つけるシステムに重きを置いているといいます。
「特別短距離レーダーがあって、10~15メートル離れていても爆弾を身につけたテロリストを発見できるシステムだ」(元ロシア海軍大佐)
ソチでは、爆弾を身に着けたテロリストをレーダーで探知するといいます。さらに、テロリストの居場所を事前につかむため、通話や通信情報を収集するシステムを使ったり、海では、敵に気づかれないため、泡の出ない特殊潜水具も使用するということです。
実は、北カフカス地方に隣接するソチでは、その昔、ロシアが北カフカスを征服する中で多数の先住民を殺害したとされています。ロシアは、テロの発生を食い止められるのでしょうか。(27日15:28)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2113166.html