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アイヌ遺骨 古里浦幌に 東大から返還 あす再埋葬【浦幌】

2020-08-22 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2020.08.21
木箱に入れられて東大から返還されたアイヌの遺骨と副葬品。一時的に自宅敷地内の倉庫で保管する差間名誉会長
 明治・昭和期に浦幌町内の墓地から持ち出され、東京大学で保管されていたアイヌの遺骨6体と副葬品が20日、浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会、差間正樹名誉会長、長根弘喜会長)に返還された。遺骨のうち5体は132年ぶり、もう1体は55年ぶりに古里の地に帰った。
 同団体が2019年11月に、東大を相手取り起こした訴訟は今月7日に和解が成立した。これに伴い、東大は遺骨と副葬品を同団体に返還し、同団体は信教の自由が侵害されたなどとして求めていた損害賠償50万円を放棄した。
 原告代理人の市川守弘弁護士らによると、遺骨6体のうち5体は、東大の前身・旧東京帝国大学の小金井良精教授が、浦幌町ウツナイの墓地で1888(明治21)年に発掘。残る1体は、東大の渡部仁教授が同町十勝太の墓地で1965(昭和40)年に発掘したとされ、一緒に埋葬されていた太刀、キセルなどの副葬品も持ち去った。
 差間名誉会長と市川弁護士は今月17日、東大に出向き、返還される遺骨6体と副葬品を確認した。20日午前、東大から町厚内の差間名誉会長宅に七つの木箱に入れられて遺骨6体と副葬品が届いた。東大関係者は同行しなかった。差間名誉会長は「(遺骨と副葬品が返還されて)ほっとしている。ようやく古里に戻った先祖らを手厚く葬りたい」とコメントした。
 東大から返還された遺骨と副葬品は差間名誉会長宅の敷地内にある倉庫に一時的に保管され、22日に町内の浦幌墓園に再埋葬される。長根会長は「先祖を自分たちの手でしっかり埋葬したい」と話している。
 同団体が北海道大、札幌医科大、東大を相手取った一連の遺骨返還訴訟は、アイヌ遺骨102体(北大、札医大は返還済み)の古里への返還をもって決着した。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/18552

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社説:アイヌのサケ漁 「先住権」論議の一歩に

2020-08-22 | アイヌ民族関連
京都新聞 8/21(金) 16:01
 アイヌ民族の「先住権」回復への転換点となるのだろうか。
 北海道浦幌町のアイヌ団体が、地元の川でのサケ捕獲は先住民族の権利だとして、国と道を相手取って漁業権を認めるよう求め、札幌地裁に提訴した。先住民族の集団が伝統的に占有してきた土地や資源を利用する先住権の確認を求める訴訟は初めてだ。
 アイヌとって、サケは重要な生活の糧であると同時に、アイヌ語で「カムイチェプ(神の魚)」と呼ばれる特別な存在だった。ところがサケ漁は明治期以降、水産資源保護法などで禁じられた。
 訴状によると、原告は江戸時代に浦幌十勝川周辺で暮らしていたアイヌの子孫らで、明治政府が禁じるまでサケ漁で生計を立てていたコタン(地域集団)から、漁をする権利を引き継いでいると主張。これを禁じた法令が適用されないことの確認を求めている。
 明治政府の北海道開拓に伴い、アイヌは北海道旧土人保護法に基づく同化政策により土地、資源、狩猟や漁業といったなりわい、独自の文化、言葉まで奪われた。
 2007年の国連先住民族権利宣言は、先住民族の権利を認め、日本も賛成した。だが昨年5月に施行されたアイヌ施策推進法は、法律で初めてアイヌを「先住民族」と明記したものの、先住権には触れなかった。訴訟の背景には文化・観光施策が目立つ新法への不満があるのは否めない。
 国は、サケ捕獲権などを有するコタンは既に存在しないとの立場だ。加えて土地や資源の権利回復が次々と具体化するのを危ぶみ、先住権を巡る議論を棚上げにしてきた。だがアイヌの多くは大上段に先住権を振りかざすつもりはなく、現実的な権利回復を求めているにすぎないのではないか。
 アイヌがこの150年間に失ったものはあまりに大きい。同化政策が生んだ矛盾を解消する責任は国にある。問題解決には権利の回復に向き合うことが欠かせない。
 訴訟の争点は、明治政府の土地取得の違法性や、原告がコタンの権利を継承する集団に当たるかどうか、などとみられる。形式的な法律論争にとどめず、先住権の本質を見据えた審理を求めたい。
 国連の人種差別撤廃委員会は18年、アイヌの先住権が十分に保障されていないとし、日本政府に権利保護を勧告した。米国やカナダなど、世界的にも先住権が復活されつつある。日本がアイヌの人々の権利をどのように保障していくか、国際社会が注視している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d64b851def7a24dd79df3924c888ad3a34c34b4

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『大地よ!』宇梶静江著 アイヌとして真に立つまでの軌跡

2020-08-22 | アイヌ民族関連
47NEWS 2020/8/21 07:08 (JST)

水や火や風を尊び、大地と「添寝」してきたという先住民、アイヌ。現代社会に生きる私たちは、いまこそアイヌの精神性や感性に学ぶべきではないのか。アイヌとして生きる87歳の女性、詩人で古布絵作家の宇梶静江が自らの半生をつづった『大地よ!』を読み、そんな思いを抱いた。
 北海道・浦河町に1933年に生まれた著者は、誇り高いアイヌの魂を持つ両親に愛されて育った。子どものころは、夏は浜辺の村に、それ以外の季節は姉茶(あねちゃ)という村里で過ごした。6人きょうだいの上から3番目、幼いころは病弱だったが、成長するにつれてどんどん健康になっていった。
 暮らしは楽ではなかった。学校へ行っても和人の先生や同級生からいじめられるのでまともに行く気になれず、また生活のために小さいころから働かねばならなかった。
 和人によって、あるいは日本政府によって、アイヌは土地や言葉、生活習慣まで奪われ、人間としての尊厳を傷つけられてきた。第2次大戦中の生活は、さらに厳しくなった。
 11歳の時のこと。街にお使いに出た著者に、同年代の姉妹がすれ違いざま「アッ、“犬”が来た!」と言った。著者は動けなくなった。
 すさまじい差別と抑圧。でも常に学ぶことへの渇望があった。その思いがかなったのは戦後になってから。53年、20歳のときにやっと、札幌にある中学に入学した。
 中学卒業後に上京し、27歳で結婚。やがて詩作を始める。詩を書くことは、一つの解放だった。だが、アイヌのことは伏せていた。どう表現すればいいのか分からなかったのだ。
 そんな「内なるアイヌ」が臨界に達したのだろう。72年、「ウタリたちよ、手をつなごう」と題した文章が新聞に掲載されて、注目を集める。出自を隠して生きる同胞に向けて、連帯と解放への取り組みを呼びかける投稿だった。同時期に書いた詩「灯を求めて」は、こう結んだ。「いま私は大地にたつ」
しかし壁は厚かった。「自分たちは、別に“アイヌ”として生きたいとは思っていない。どうか放っておいてほしい」という同胞が大半だったのだ。彼らが抱えているであろう空虚は、自分の中にもあった。
 63歳で古布絵と出会ったことが、最大の転機となったようだ。アイヌの村にいるときに遭遇したシマフクロウを描こうと思った。真っ赤な目のシマフクロウに「アイヌはここにいるよ、見えますか?」という意味を込めた。それが彼女を再生させた。古布絵には、アイヌ刺☆(糸ヘンに肅)でアイヌの叙事詩・ユーカラを織り込んだ。
 いったんは手放した詩作も取り戻した。「天から零れ落ちてきた言葉の雫を、静かに私が受け止めて書き留めたような言葉」を刻んでいった。
 古布絵と詩という表現によって、アイヌらしく、真に大地に立ったのだ。
(藤原書店 2700円+税)=田村文
https://www.47news.jp/culture/5135921.html

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チーフス、スタジアムでの先住民族風の頭飾り着用を禁止

2020-08-22 | 先住民族関連
NFL 2020年08月21日(金) 11:07
アローヘッド・スタジアム【AP Photo/Charlie Riedel】
カンザスシティ・チーフスは現地20日(木)に、アメリカ先住民の文化への関心を高め、「カンザスシティエリアとの歴史的なつながりを持つ部族たちの豊かな伝統」を記念するための新たなポリシーを導入した。
ファンがネイティブアメリカンの頭飾りをつけてアロー・スタジアムに入場することは禁じられる。フェイスペイントは許容されるものの“アメリカ先住民の文化や伝統を参照、もしくはそれに着眼したものについては禁じられる”という。
「ファンはスタジアム外部のセキュリティーチェックを通る前にアメリカ先住民風のフェイスペイントを消すことが求められる」と新ポリシーには記されている。
また、チーフスは“アローヘッド・チョップ”のチャントを“徹底して見直すプロセスに従事している”と述べ、“今後さらなる話し合いを行う”とした。
また、名物の大太鼓も調整の対象となる可能性があり、チームは「われわれのファンと選手を結びつける効果を保ちながらも、アメリカ先住民の文化におけるドラムの精神的な重要性をよりよく象徴するドラムデッキ(スタジアム上部の大太鼓が置かれたデッキ)のあり方についてすべての選択肢を検討する」と説明。
「これにはドラムのフォーカスをスタジアムの鼓動を象徴する何か他のものにいかに移行するかの議論が含まれる」と声明にはあった。
チームは過去6年に導入してきた多くの慣習を継続していく。その中には地域と歴史的なつながりのある部族のメンバーをチームのアメリカ先住民族伝統月間ゲームに招待することも含まれている。チーフスはまた、“地域および全国的なパートナーの提供による、より正式な形での教育プログラムの創出を検討”しているという。
「われわれはアメリカ先住民族のリーダーたちと行ってきた有意義な会話に感謝している。こういった重要な議題について話し合いを継続していくことが重要であり、今後も共に取り組んでいくのを楽しみにしている」
https://nfljapan.com/headlines/55089

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米・大統領選、スイングステートはどちらの手に? 鍵を握る黒人票

2020-08-22 | 先住民族関連
TBS 21日 12時42分
 「あさチャン!NEWS LIVE6」。世界の今が見える「World特派員リポート」です。アメリカの大統領選挙まで2か月半。鍵を握るのが、黒人票です。バイデン前副大統領がいる民主党大会の会場から深井記者の報告です。
 こちらバイデン氏の地元アメリカ東部のデラウェア州です。木曜日の午後5時20分を回ったところです。後ろに見えます、あの大きな星条旗がかかっている建物、数時間後には、ここから大統領候補のバイデン氏が党大会フィナーレの演説を行う予定です。会場横には巨大なモニターが設置されていまして、今夜は支持者がこちらに集まり様子を見守る予定になっています。
 こちらからお伝えするのは、選挙戦の「カギを握る黒人票」についてです。
 きのうの夜、バイデンさんとランニングメイトと言われる選挙戦を共に戦うパートナー、副大統領候補に指名されたのが「黒人」のカマラ・ハリス上院議員です。きのうの演説では複数の人種の中から「黒人」を最初に挙げてこのように語りかけました。
 「みんなが共に目指す未来を実現するためには、黒人、白人、ラテン系、アジア系、先住民族など、全ての人をひとつにする大統領が必要です」(米民主党 カマラ・ハリス上院議員)
 なぜ黒人有権者がカギを握るのか。注目は、最近の大統領選挙での黒人有権者の投票率です。
 実は、オバマ大統領が再選した2012年からトランプ大統領が選ばれた2016年にかけて黒人有権者の投票率は7ポイントもダウンしました。黒人有権者の9割は民主党を支持しています。その黒人の投票率が、もし今回、8年前の水準に戻った場合、トランプ氏が前回1ポイント以内の僅差で勝ち取ったウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアの3つの州がひっくり返って全体の結果も逆転する、つまりトランプ大統領が敗退するのではという分析もあります。
 危機感を強めるトランプ氏は、きょう遊説先のペンシルベニアでも「バイデン氏は急進的な左翼の人形だ」などと皮肉り、必死の巻き返しをはかっています。
 Q.黒人有権者の9割は民主党を支持しているということですが、そのバイデン氏のいる民主党は黒人票を獲得できそうですか。
 確かに、黒人の9割はトランプ大統領を支持していませんし、ハリス氏を副大統領候補に登用したことも概ね好意的に受け止めているようです。
 ハリス氏が「黒人」の候補だからといって黙っていても黒人有権者が選挙に行って投票してくれるかというと、そう甘くはありません。ミシガン州のデトロイトに住むこちらの男性は構造的な「差別」に怒っていて、投票で社会を変えていこうという活動を率いるリーダーなのですがこんな風に話してくれました。
 「『あなたたちを助けたい』と言うだけの候補者を信頼することに私たちは辟易としています。今回は彼ら(候補者)が行動を起こす時です。口だけではなく、これまで言ってきたことを実際に具体的な政策にし、そこに投資することが求められるのです」(ダヴォンテ・ジョンソンさん)
 アメリカでは根深い「差別」が今なお社会を覆っていること、新型コロナでは最前線の仕事に従事している黒人などが多数感染し人種間の「格差」が大きいことが改めて表面化しました。長く抑圧されてきた黒人の人たちは、自分たちの訴えに耳を傾けてくれる候補なのか、その人は本当に社会の構造を変えてくれるのか、残りの選挙戦でそういった部分を慎重に見極めようとしているのだと思います。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4058438.htm

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